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Do As Infinity「ダークな面も原動力となる」新曲で表現する核心

2017/12/8(金) 12:30配信

MusicVoice

 Do As Infinityが12月6日に、澤野弘之サウンドプロデュースとしての第3弾シングル「化身の獣」をリリース。アニメ・ドラマ・映画界で劇伴作家として絶大な支持を受ける澤野弘之をサウンドプロデューサーに迎えた第1作目「Alive / Iron Hornet」、そして「TOKYO」をテーマに制作された2作目「To Know You」に続き、新たなサウンドアプローチの今作は、テレビアニメ『十二大戦』エンディングテーマとして心の奥底に“化獣(ばけもの)”を抱える「人間の核心」を描いた意欲作。本作のサウンド・歌詞の世界観の源流から制作過程、Do As Infinityのサウンドの移り変わりなど楽曲制作のバックボーンの詳細に迫った。【取材=平吉賢治】

自分の中に潜むエグい自分。心の奥底に抱える“化獣”

――31stシングル「化身の獣」は澤野弘之さんをサウンドプロデューサーに迎えた第3作目となります。今作のMVでは台湾のような風景が見られましたが、どちらで撮影したのでしょうか?

伴 都美子 あれは国内でして、「聖天宮」という中華系(台湾)の道教の神社なんです。

――MVで観られる十二支の文字を書いたのは伴さん?

伴 都美子 実はそうなんです。

大渡 亮 あれ本当に上手だよね。

――非常に美しい書体ですが、書の心得があるのでしょうか?

伴 都美子 今作では詞の世界観もそうだし、タイアップとも関連性が持てるかと思い監督に提案しました。先日の台湾ライブのときに買った筆で書きました。

大渡 亮 台湾で買った筆で書いたんだ。書道系はどんどんやった方がいいよ。

伴 都美子 今回はマッチしたね!

――あまりに達筆で、伴さんの創作したフォントのようでした。

伴 都美子 一応、書道の段位は八段なんです。

――相当な腕前なのですね。伴さんの意思で、今回MVに書を取り入れようと。

伴 都美子 そうです。「書きたいっ!」と。

大渡 亮 大正解だったね。

――歌詞の世界観でもある「自分の知らない自分。人間が心の奥底に抱える“化獣(ばけもの)”」を伴さんが「猫」で表現、というコンセプトの中で“猫化”はいかがでしたか?

伴 都美子 十二支に出てこない獣ということもあって、猫というテーマもあったと思うんです。猫って、ことわざや慣用句だと悪いことばかりしか出てこないんですよ。“猫の額”とか“猫の手も借りたい”など、あまり良い表現がないというか。ちょっとかわいそうだなって思うのですが、私は猫を飼っているし、一度猫になってみたいなという願いが叶ったという部分もありますね。

――大渡さんも最後のカットで“猫化”していましたね。

大渡 亮 予定はなかったんですけど、伴ちゃんが牙を作ると聞いて「いいな!」と思って。俺も欲しいなと監督に言ったら、急遽「じゃあ作りましょう」ということになったんです。

――今作のテーマは「心の奥底に“化獣(ばけもの)”を抱える」とあるように、とても深そうです。歌詞はどのように書き進めましたか?

伴 都美子 これは曲が先にあって、テレビアニメ『十二大戦』のお話があったうえで取りかかったという始まりでした。自分の中に潜んでいるエグい自分だったり、まだ自分でも知らないような自分だったり…。そういうことを、歌詞の中では誰かに罵倒しているような感じですが、自分がそうなる可能性を秘めているというか。そんなことを思いながら書きました。『十二大戦』の原作を読ませて頂いて刺激を受けたところもあります。

――<嗚呼、この世は 嗚呼、欲ばかり>という部分が印象的です。

伴 都美子 一番言いたいのはそこだと思います。

――欲=化獣という解釈もあるのでしょうか?

伴 都美子 欲というと悪いような印象もありますけど、それがあるから頑張れるとか、目的意識としても捉えられるんです。今作に関しては、人間の醜いというか“ダークな側面”で表現した感じなんです。

――欲が人間の原動力、という部分も確かにありますね。

大渡 亮 この歌詞の中の欲というのは、いわゆる綺麗な欲ではなくてネガティヴな欲というか。

伴 都美子 そうですね。

――音楽家として、一番強い欲はなんでしょうか?

大渡 亮 自分が担当している楽器を永遠に弾き続けたい、という欲かもしれないです。近年、ギターを演奏することに益々執着するというか、楽しいんですよね。わからなかったことがわかるようになったことが多くて。それを実践するときに、得も知れぬ満たされた感覚があるんです。「あれもこれもやってみたい」ということが今、急速にある状態なんです。更に進化させて、パフォーマンスしたいという欲があるかもしれないです。

――それはギタープレイそのものに反映している?

大渡 亮 はい。随分考え方やアプローチの仕方も変わってきているし、軸は変わらないけどギターをどう奏でるか、という方法論がより明確になってきているというか。例えば今回は澤野弘之さんとコラボレーションしていますけど、彼に対して必要なものをスッと提供できるようになってきているのかなと思います。

――大渡さんのギタープレイは、1999年の1stシングル「Tangerine Dream」から現在にかけて、だんだんシャープになり、楽曲にとってベストの的を得たプレイに変化していると感じます。今作「化身の獣」のギターソロにしても、8小節内に表現したいことが最適にまとめられていると感じました。

大渡 亮 今作のギターソロもそうですが、せっかく与えられた場所で、その8小節の中で起承転結を作ることによって、更に楽曲の起承転結も完成するというところがあると思うんです。そこでリードギターを弾く意味がある、とも言いますか。そういう相対的なことも考えつつ弾くようになってきた部分はあります。

 以前はただ、「ギター」という漠然としたものばかり追い求めていたのですが、年々「どうすれば効果的に演奏できているか」という点を分析するような聴き方にもなってきて、その結果、それが自分の血肉になってきたというのは正直あるかもしれません。

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最終更新:2017/12/8(金) 18:59
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