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児童ら熱演 会場に笑みはじける しまゆみた狂言 鹿児島県喜界町中里

12/8(金) 13:01配信

南海日日新聞

 鹿児島県喜界島の中里集落で2日、地元の小学生が方言で演じる「わらび・なーとぅしまゆみた狂言 附子(ぶす)」(喜界島言語文化保存会主催)の公演があった。児童らのユーモラスな演技に、会場に訪れた約100人の笑い声が響いた。

 「うれっ、みちゃんどー!(そりゃ、見たぞー)」。狂言は全てナートゥユミタ(中里集落の方言)で進行。同集落の6年生7人が狂言師の河田圭輔さんや集落の先輩たちから所作や方言を学び、約8カ月の練習を経て本番に臨んだ。

 狂言「附子」は屋敷の留守を任された使用人が、主人から猛毒だと聞かされていたつぼの中身が黒砂糖の水あめだと気付き、食べ尽くしてしまうというストーリー。使用人が言い訳を考えるやりとりが笑いを誘い、伝統的喜劇として人気が高い。

 喜界小6年の女子は「(狂言の)独特の笑い方が一番難しかった。お客さんがいっぱいで緊張したけど、みんなが笑顔になってうれしい。満点の出来」と満足げ。方言の指導をした中里集落の野間昭夫区長も「方言指導で子どもたちとの接点ができた。本番もとても良かった」と喜んでいた。

 しまゆみた狂言は失われつつある方言の継承を目的に、喜界町中里出身の造形作家・緋月真歩さんと喜界島言語文化保存会の生島常範代表が昨年から地元の児童らと共に取り組んでいる。これまでに小野津、佐手久、塩道の方言で公演した。

 緋月さんは「保護者や集落の方々の協力と子どもたちの一生懸命な姿勢に感謝している。黒砂糖水飴(アミザター)が出てくる『附子』という演目は喜界島にぴったり。他の集落でも取り組んでいきたい」と語った。

 この日は緋月さんの妹でソプラノ歌手の本田実千代さんのコンサートや中里集落の八月踊りもあり、しまゆみた狂言に花を添えた。

奄美の南海日日新聞

最終更新:12/8(金) 13:01
南海日日新聞