ここから本文です

自費出版10冊目、創作意欲衰えず 金大附属高元教諭の岩城谷さん

12/8(金) 2:11配信

北國新聞社

 金大附属高元教諭の岩城谷滋さん(85)=筆名・五本松昌平、金沢市卯辰町=が8日、自費出版10冊目となる小説「鶴屋の女将(おかみ)」を北國新聞社から刊行した。自宅でワープロ11台を駆使し、同時進行で執筆を進める岩城谷さんは節目の刊行に「もういいか、という思いも出てきたが、先日また新しい作品を書き上げたばかり。機会があれば今後も活字にしたい」とワープロに向かっている。

 「鶴屋の女将」は、銀行に勤める若い女性が投資事業を行う男性と出会い、ひがし茶屋街で置屋(おきや)を開く夢に向かって歩んでいく現代小説となる。岩城谷さんは自宅近くの茶屋街で、空き家になった茶屋を見て想像を膨らませ、一気に書き上げた。

 岩城谷さんは二水高時代、図書館でシェークスピアやトルストイなど海外文学に魅了され、小説家を夢見た。金大英文科進学後も書き続け、自作を鎌倉の川端康成宅まで持ち込んだこともある。卒業後は旧三波中(現能登町)に助教諭として赴任し、通信教育で教員免許を取得、その後、大学院修了相当の免状も取り、金大附属高など県内高校に勤めた。

 小説の執筆を本格的に再開したのは、金大非常勤講師などを退職した70歳から。手書きがつらいと使い始めたワープロは書斎に3台、居間に2台と増え続け、現在では11台を使いこなす。原稿はフロッピーディスクに入れて持ち歩き、「一服したいと思ったら、別のワープロの前に座って別の話を書く」スタイルで、複数の作品を同時進行で執筆、推敲(すいこう)している。

 金大附属高在職中に2冊を刊行し、その後は退職金でこつこつと刊行を続けてきた。現在は「スランプ」だと話す岩城谷さんだが、すでに完成した3作品を温めている。傘寿を過ぎて「やっと自分のペースで思い通りに書けている」と笑い、衰えぬ創作意欲を示した。

 「鶴屋の女将」は四六判、324ページ、定価は1296円(税込み)。書店や北國新聞社出版局で販売している。

北國新聞社

最終更新:12/8(金) 3:20
北國新聞社