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SUSEが目指す「オープンなオープンソースカンパニー」

12/8(金) 9:40配信

ZDNet Japan

 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、ドイツSUSEのAndy Jiang バイスプレジデントと、アピリオの渡邉崇 代表取締役社長の発言を紹介する。

「私たちはオープンなオープンソースカンパニーを目指す」
(ドイツSUSE Andy Jiang バイスプレジデント)

 SUSEのLinux関連事業を国内で手掛けているノベルが先頃、SUSE製品のユーザーを対象としたプライベートイベント「SUSE Open Forum Japan 2017」を都内で開催した。冒頭の発言は、同イベントで基調講演を行うために来日したSUSEのアジアパシフィックおよび日本地域を担当するセールスバイスプレジデントのAndy Jiang(アンディ・ジャン)氏がSUSEの目指す姿について語ったものである。

 SUSEの主力製品である商用Linuxディストリビューション「SUSE Linux Enterprise」は、メインフレームやSAP HANA、ハイパフォーマンスコンピュータ(HPC)向けなど、ハイエンドLinuxの各市場で5割から8割の高いシェアを獲得しているという。

 また、Linuxと同じオープンソースのクラウド基盤構築ソフトウェア「OpenStack」の展開にも注力。同社はOpenStackの推進プロジェクト「OpenStack Foundation」のプラチナメンバーとして積極的に活動しているほか、オープンソース技術の推進企業として多くの開発コミュニティーに貢献している。さらに最近では、Software Defined Storage(SDS)やコンテナソリューションの領域にも事業を拡大している。

 Jiang氏はこの1年での協業拡大にも言及。「Hewlett Packard Enterprise(HPE)とのクラウド関連資産の買収をはじめとした戦略的提携」「富士通とのオープンソース製品の開発・マーケティング・販売にわたる広範囲な提携」「SAP Cloud Platformのサポート」などを挙げた。ちなみに富士通とは、「Business-Critical Linux」を共同開発して今年7月に提供を開始した。

 そんなJiang氏の講演で最も印象深かったのが、冒頭の発言である。「オープンなオープンソースカンパニー」とは、いったいどういうことか。同氏によると、形容詞である「オープンな」には「お客様に選択肢を提供する」との意味が込められているという。

 その背景には、前述したように、SUSEがLinuxだけでなく、OpenStackやSDS、コンテナソリューションと事業を広げてきていることがある。それによって、“SUSEはどの領域においてもオープンソースとしての選択肢を提供していける会社になりますよ”、というメッセージを込めたのが、どうやら「オープンなオープンソースカンパニー」という表現になったようだ。

 同氏によると、SUSEは今、事業を急拡大させており、売上高も2017年度で前年度比21%増と好調だ。日本でもノベルのSUSE事業部長でSUSE Japanカントリーマネージャーを務める川崎哲郎氏のもとで体制強化を図っている。オープンソース市場の拡大に伴い、SUSEは注目企業の1つになりそうだ。

最終更新:12/8(金) 9:40
ZDNet Japan