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「聴く人に幸せと元気を」 北米沖縄県人会の高校生、三線に夢中

2017/12/11(月) 21:05配信

沖縄タイムス

 【我ら“うちなーんちゅ”米ロス発】カイル・ヤマオカさん(17)

 北米沖縄県人会のイベントで、よく見かける少年がいる。三線を美しく弾きこなす彼の名前はカイル・ヤマオカさん(17)。ロサンゼルスから車で1時間以上東にあるモレノバレーの高校に通うシニア(高校4年生)だ。

 彼の演奏する姿は実に堂々としている。聞けば9歳で三線を始め、沖縄のコンテストでも数々の受賞歴を誇る。東京の国立劇場の舞台に立ったこともあり、その経験が「三線のプレーヤーとして最大のイベントだった」と振り返る。

 三線を始めたきっかけは4歳の夏にある。沖縄出身の祖母に連れられて初めて沖縄に行った。親戚(祖母の妹の夫)の照喜名朝一さんを訪ね、彼が弟子に三線を教えるところを見学した。「三線はバンジョーに似ていたが、3本の弦だけできれいな音色の音楽をつくり上げることに幼いながらに感嘆した」

 そして5年後、祖母と沖縄を再訪した際に、カイルさん自身も三線を習うことを決断した。祖母や人間国宝の照喜名さんに勧められたからではなく、照喜名さんが弟子を指導する姿を見て「自分も教わりたいという気持ちが湧き上がってきた」。

 以来、三線をやめたいと思ったことは一度もない。「やめたいどころか、沖縄の伝統文化が廃れつつあると知ったので、ますます熱が入った。若い年代は伝統文化にあまり関わろうとしない。北米沖縄県人会の安冨祖流音楽研究朝一会ロサンゼルス支部に入門した時は、僕が最年少の生徒だった」

 上達したい一心で練習に励み、13歳の時に琉球古典芸能コンクールで新人賞を受賞した。

 沖縄は過去6度訪ねている。「美ら海水族館や首里城、美浜アメリカンビレッジ、渡嘉敷島にも行った。ジャッキー・ステーキハウスがお気に入りで、そこでおなかいっぱい食べた後は、朝一おじさんと一緒に、腹ごなしの長い散歩に出掛けるのがお決まりのコース」

 三線の魅力を聞くと「僕一人でもグループでも、三線を演奏すると聴いている人をハッピーにできるし、元気をあげることができること」と即答した。これからも、カイルさんは人々の笑顔のため、そして自身の夢のために三線に情熱を傾けていくだろう。

 最後に三線以外の夢を聞いてみた。「世界をサイバー攻撃から守るサイバーセキュリティーの分野で成功を収めたい」。伝統文化、三線に没頭する側面とは対極的な、17歳らしい現代的な回答だった。(ロサンゼルス通信員・福田恵子)

最終更新:1/11(木) 13:25
沖縄タイムス