ここから本文です

ジュビロ磐田の2017年を徹底分析する 五百蔵容

2017/12/13(水) 11:30配信

VICTORY

ジュビロ磐田の2017年シーズンは、16勝10分8敗勝ち点58の6位という好成績に終わりました。横浜FMのレジェンドである大ベテラン・中村俊輔を獲得するなど、開幕前から話題を振りまいた磐田。J1復帰をした昨季は50失点を喫した守備が大幅に改善するなど、攻守に渡り成長を遂げています。その要因は何だったのでしょうか?(文・図表/五百蔵容)

2017年シーズン、名波浩監督率いるジュビロ磐田は6位でフィニッシュ。残留争いに巻き込まれた2016年度シーズンから躍進、一時はACL出場権獲得圏内である3位への滑り込みもうかがえる位置につけました。これは、低迷期に突入した2006年度以降、最高順位タイとなる成績です。

特筆すべきは、失点の少なさ。2016年は、リーグ屈指のGKクシシュトフ・カミンスキーを擁しながら50失点。しかし今季は30失点と大幅減。これはリーグ最少失点であるだけでなく、2006年度以降磐田が記録した最小失点数であり、2006~2016までの平均失点数が51という失点が非常に多かったクラブとしては画期的な数字でもあります。

本稿では、躍進の要因となった守備の強化を中心に、ジュビロ磐田の2017年度シーズンを総括してみたいと思います。

「J1仕様」の挫折~2016年度シーズンまでの磐田の守備

名波浩監督の就任は、J2時代の2014年度シーズンの終盤でした。以降、名波監督は「J1仕様」を標榜し、一貫して前から奪いにいくアグレッシブなサッカーを志向してきました。

「高い位置からボールを奪いに行き、奪った瞬間に、まず前(へボールを入れる)。でも、前の選択肢を相手に消されるから、そこでわざと密集を作って、広いところに(展開する)っていうのが、自分はJ1のサッカーだと思っています」 「そこがやっぱり、下がって守備をして、長いボールをボンッと蹴るチームが半分以上あるJ2との差。うちは昨季もずっと高い位置でサッカーをやっていたし、それを1年やり通すっていうことも、J1仕様だと思います」
(2016.4.10 スポルティーバにおけるインタビュー)

しかし、シーズン50失点、残留争いという結果のみならず監督自身も様々なインタビュー等で認めている通り、「J1仕様」は大きな壁にぶつかっていました。実際のところ、J2時代の2014年度シーズンからJ1昇格初年度の2016年度シーズンに至るまで、名波磐田の「前から奪いにいく」コンセプトは意図通りに機能することが少なく、その機能不全は構造的な弱点となっていました。

特にアタッカーたちによる敵陣でのプレッシングと、後方に控えるDHやDFラインとの連動性に大きな問題を抱えており、以下のような危険なシークエンスが頻繁に見られたのです。

1/5ページ

最終更新:2017/12/13(水) 18:00
VICTORY

スポーツナビ サッカー情報

海外サッカー 日本人選手出場試合