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「プレミアムフライデー」効果に明暗? 企業や小売店の現状

2017/12/17(日) 18:54配信

福井新聞ONLINE

 月末の金曜日に早めの退社を促し、消費を喚起しようと今年2月に始まった「プレミアムフライデー(プレ金)」。最近めっきり話題に上らなくなったが、福井県内では今どうなっているのだろう。やめてしまったのか、それとも地道に続けているのか。スタート時に導入した企業や小売店を、追跡取材した。

 ■企業 働き方改革に一役

 IT企業のシステム・プロモーション(越前市)は2月から、プレ金には「午後3時帰宅」を実践している。従業員の山形奈実さん(35)は「金曜は土曜に比べて割安なので温泉でリフレッシュしました。趣味の読書の時間も増えたかな」と笑顔だ。10人の従業員全員が午後3時きっかりに退社とはいかないものの「プレ金を通して、残業をしない効率的な仕事のやり方に対する意識が高まった」と三田村淳一社長。普段も業務に支障がなければ、早めに仕事を切り上げるようになったという。

 大手住宅メーカー大和ハウス工業(大阪市)は、福井市の福井支店を含め全社を挙げて取り組んでいる。隔月の実施ではあるものの「午後をまるまる休み」にするのが特色。午後休分は有給休暇とし、従業員の有給休暇取得促進という働き方改革にもつなげている。福井支店総務経理課の大崎努課長は「2カ月に1回は仕事を早く切り上げるという意識が定着してきた」。業務上、大きな影響は出ていないといい、従業員からも「家族と過ごす時間が増えた」と好評だ。

 民間企業以外はどうか。福井市は、プレ金を職員のワークライフバランスの確保や、効率的な業務推進を図る一環と位置付けている。対象日には定時での退庁を促す庁内放送を朝夕に流したり、午後3時15分以降は原則として庁内会議をしないよう呼び掛けたりしている。市職員課によると、ノー残業デーや朝型勤務などの効果もあり、本年度は職員の残業時間が減少傾向にあるという。

 ■小売業 売り上げ増も微妙

 一方、小売業はプレ金で売り上げ増を期待するが…。

 スーパーなど展開のヤスサキ(福井市)は、チラシで「おうちでプチ贅沢(ぜいたく)」などとこだわりの食品をアピールし、需要の喚起を狙う。担当者は「思ったほどの効果はなかったが、やめるほど成果がなかったわけではない」と、なんとも微妙な反応だ。

 西武福井店(同)はプレ金に合わせ、マッサージなどのブースを設けたり、靴磨きやマフラーの巻き方講座を実施したりしている。マッサージに固定客がつくなど「イベントの効果はあるようだ」と担当者。実際に9、10月の最終金曜日の売り上げは前年を上回った。ただ「プレ金の取り組みだけが要因なのかは分からない」と付け加えた。

 そんな中、取り組みをやめてしまった小売店も。ショッピングセンターのエルパ(同)は、月末のポイントアップ期間に合わせてプレ金をPRしたものの、目立った効果は表れなかったという。担当者は「今後も取り組む予定はない」と話す。

 なかなか広がらないプレ金の取り組み。その理由について県中小企業団体中央会の芹澤利幸・企画振興課長は「制度が実態に合っていない。県内は大半が中小・小規模企業で、退社時間を早められるところは少ない」と分析する。買い物の仕方の変化にも触れ「インターネット通販の利用が伸び、いつでも買い物ができる。早く帰って店に足を運ぶという風潮にはならないのではないか」と指摘する。

 全国調査ではプレ金の認知度は約9割と高い水準だったが、通常よりも早く退社できた人は約1割にとどまっている。忙しい月末に早く退社できる人は限られており、経済産業省と経団連などでつくる推進協議会は、今後は月末にこだわらない柔軟な取り組みを企業に促していく方針だ。

 同推進協議会事務局によると、プレ金のロゴマーク使用を申請する企業・団体は県内でも少しずつ増えている。小売業にとどまらず、山本歯科医院(福井市)も名を連ねる。月末の金曜日の午後3時以降にホワイトニングの割引を実施しており「今後に期待したい」と力を込めた。

最終更新:2017/12/17(日) 18:54
福井新聞ONLINE