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Netflixの制作現場、何がすごい? 監督が語るTVドラマとの違い

2017/12/17(日) 17:00配信

BuzzFeed Japan

「もっと暗く」常識破りの要望

「もっと暗く、モノトーンでいい。日本のテレビドラマの明るい映像を我々のユーザーは求めていない」

北海道でのクランクインにはNetflix米本社のスタッフも立ち会った。撮影中にかけられたこの言葉が、監督には印象的だったという。

「すでにやりすぎではないかと不安になるくらい暗めにしていたが、それでも『もっとやってほしい』と」

「暗くていい」は、単純に明るさを抑えるという意味ではなく「映画に近いトーンに」ということ。コントラストを下げ、柔らかさが出るように、機材や撮影方法も含めて、具体的にレクチャーされたという。

「日本のドラマの現場では、テレビ局側から『これ、もっと明るくなります?』と聞かれるのが当たり前だったので真逆の要望で驚きました。画作りの段階から、違うものを指向していることがこのエピソードで伝わると思います」

Netflixのヒットドラマには、映画のような予算規模・撮影規模のものも多い。「連続ドラマではあるが、作り手としては長い1本の映画」であることは、演出指示からも感じられる。

全話同時に配信するため、気に入った作品であれば最後まで1日で一気に見る視聴者も少なくない。話数は分かれているが、連続視聴を意識するようアドバイスがあったという。

「『大事なのは1話のテンポ』『2話で驚きを』『3話からじっくり話を見せていく、そこまで見てくれた人の多くは最後まで見てくれる』――Netflixが持つマーケティングデータを踏まえて、連続視聴しやすいように、抑えてほしいポイントを提示されました」

「要求が過剰というわけではなく、あくまで表現の仕方はクリエイターにまかせるというスタンス。自分も経験がありますが、演出の好みはどうしても現場とプロデューサーでぶつかりがち。こちらですべて決めていく責任の重さは感じましたが、その分、やりがいはありました」

世界配信だからこそ「もっと内向きに」

日本だけでなく、世界190カ国以上でも同時配信する。原作漫画は今年、フランスのSF専門出版社「ActuSF」により「歴史改変SF大賞」に選出されるなど、海外からも注目が高い。

日本初のNetflixオリジナルドラマとなった「火花」は、国内よりも海外からの視聴が多いというデータもある。ダイレクトに海外ユーザーに届くチャンスになるが、作り手として意識したことはあるだろうか。

「『火花』成功の報告を聞き『オクジャ』を観て思ったのは、もっと内向きに作ろう、でした。つまり、強靭な『ジャパン・オリジナル』は価値を持つだろうと」

<※「オクジャ」(2017):韓国のポン・ジュノ監督の映画。畜産産業と食肉、動物愛護などをテーマにした作品で、ハリウッドのメジャースタジオで撮影できずNetflixで配信した>

「世界配信だからハリウッド志向や無国籍に走るのではなく、クリエイターが本当に面白いと思える日本発の作品を作ることが、世界に向けて輸出できる強度につながると思います」

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最終更新:2017/12/17(日) 17:44
BuzzFeed Japan

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