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日本の総合電機は日立と三菱電機の2社になる?

2017/12/24(日) 19:12配信

ニュースイッチ

東芝の未来、社会インフラの看板は再び輝くか

 東芝の海外原子力発電事業の巨額損失問題が発覚してから1年。連結子会社で同事業を担った米ウエスチングハウス(WH)の経営破綻、半導体メモリー事業の売却決定、6000億円の増資を経て、最悪期は脱した。ただ、この1年間で東芝の経営基盤は毀損され、課題もまだ残る。

 「日本の総合電機は2社になってしまうんだね」―。さまざまなビジネスで東芝と取引してきた国内電機大手の元首脳はしみじみと語る。家電から発電機など重電機器まで手がけ「総合」の看板を掲げる電機メーカーは、東芝の脱落で日立製作所と三菱電機の2社を残すのみとなった。

 不正会計問題が発覚した2015年、東芝は海外原発、半導体メモリー事業に集中する方針を示した。この方針に沿い医療機器や家電事業を切り離して経営再建に着手した直後の16年末、原発の巨額損失問題が発覚した。

 17年3月にはWHが米連邦破産法11条を申請して経営破綻。これで15年時点のもくろみは完全に狂った。巨額損失の穴埋めのため、中核事業のはずのNAND型フラッシュメモリー事業の売却を決定。11月にはテレビ事業の売却も決めた。

 稼ぎ頭が次々となくなり、身ぐるみをはがされた東芝。15年3月期に6兆6558億円だった売上高は、18年3月期には3兆7617億円(売却するメモリー事業は除外)と4割も減る見通し。「社会インフラ事業を核に経営再建を図る」(綱川智東芝社長)戦略だが、後に残ったのが社会インフラ事業だったというのが実態に近い。

 「もともとインフラ設備の会社。堅実に生き残っていけばいい」―。東芝の社外取締役は切々と語る。東海東京調査センターの石野雅彦企業調査部シニアアナリストは「成熟した国内市場は厳しいが、アジアの新興国まで視野を広げると需要は豊富」とみる。

 東芝は1875年に電信設備メーカーとして産声を上げた「田中製造所」を源流とする。世界初のノートパソコンを世に送り出したのは約30年前、NAND型フラッシュメモリーを製品化したのは約25年前。それぞれの時代で輝きを放った製品も、142年の歴史の中では新参者だ。いま、図らずも原点回帰する東芝を前向きに評価する声はある。

 ただ社会インフラ事業の18年3月期連結の売上高は1兆2600億円で、営業利益率は3・3%の見込み。第2の柱であるエネルギー事業についても売上高は8400億円、営業利益率は0・6%に留まる見通しだ。東芝を担当する証券アナリストは「メモリーがなくなったら、まったく面白みがない会社」と厳しい。

 “社会インフラの東芝”という看板は再び輝くのか―。東芝はどう変わり、そしてどう経営再建を進めるべきなのか。

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最終更新:2017/12/24(日) 19:12
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