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ミカン21年ぶり高値 絶対量足りずキロ338円 12月中旬京浜市場

2017/12/26(火) 7:03配信

日本農業新聞

 年末の最需要期を迎え、ミカン相場が21年ぶりの高値となっている。京浜市場の12月中旬の1キロ平均価格は338円(日本園芸農協連調べ)と、高水準。樹勢低下による着果不良に、秋の天候不順が重なり、早生以降の出荷が少なく絶対量が足りていない。専門家は「異例の高値だ。気象の影響に加え、高齢化や、園地の老木化といった生産基盤の弱体化が背景にある」と指摘。労働負担の軽減など安定生産を後押しする対策が急務と訴える。

 京浜市場で12月のミカン相場が1キロ330円を上回るのは、干ばつで不作だった1996年以来。ここ数年の年末は、1キロ200円台前半で取引されてきた。卸売会社は「単に需要で高値になったわけでない。供給が極端に少ない。こんな年末は初めてだ」と驚く。

 2017年産は当初から、早生以降は生産量が前年を下回る見通しだった。産地関係者は「近年の天候不順で樹勢が弱まり、着果が少ない。実を付ける期間が長い作型ほど顕著だ」と指摘。そこに10月の台風被害で傷みが多発し、出荷が激減。11月後半以降、全国的な絶対量不足が続く。

 JA全農えひめによると、12月中旬までの早生の出荷実績は約2万トン、中生は約6000トンで、いずれも当初計画を1、2割下回る。中生以降がメインのJA静岡経済連も、12月の出荷計画量が約6000トンと前年から半減。最盛期の年明けも前年の3、4割減で推移する見込みだ。

 生産者の高齢化や園地の老木化が、大きく影響している。「着果数を確保しようにも、高齢化で肥培管理が徹底できていない」(愛媛県のJA)、「肥培管理の徹底を呼び掛けているが、樹齢50年以上の老木の更新が進まず、なり疲れが顕著になった」(和歌山県のJA)など対応に苦慮する声が相次いでいる。

生産基盤弱体化が深刻

 果樹生産に詳しい三重大学大学院生物資源学研究科の徳田博美教授の話

 高齢化による労力低下や老木化など、ミカンの生産基盤の弱体化は深刻だ。生産が不安定になり、今後も異例の高値が発生する恐れがある。

 まずは労働負担の軽減に取り組むべきだ。園地の多くが傾斜地にあり、手作業に頼る農作業は相当な労力がかかる。代わりに省力化できるのが資材や収穫物の運搬。これらの機械化を一層進めることが、作業性の改善につながる。(山崎崇正)

日本農業新聞

最終更新:2017/12/26(火) 7:03
日本農業新聞