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インパクトのある「ふすま」で和室変えたい 大阪・製造会社社長の思い

2017/12/29(金) 14:30配信

THE PAGE

 和室に欠かせないふすま。歴史は古く、現代に至るまで基本的な構造は変わっておらず、日本の伝統技術が連綿と受け継がれている。しかし、この10年でふすま業者は半分以下に減り、後継者問題も絡み、斜陽の道を辿っていると言われる。そんな中、ふすまに「トラの絵」を描いて販売にするなど、イメージ変えようという、ふすま製造会社の社長が大阪府八尾市にいると聞き、訪ねてみた。

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和室減少に歯止めをかける商品を作りたい

 大阪府八尾市の「谷元フスマ工飾」の谷元亨社長(43)は同社の三代目。14年前に入社し、9年前に社長に就任した。「ふすまのデザインは、50年くらいずっと変わっていない。業界は今、畳業界のデータですけども、ふすまも同じで、この10年で半分以下に減っている。単純に新しく造られる和室が半分以下になっているからでしょう」と話す。

 谷元社長は「この業界は特殊な業界で、紙は紙屋さん、縁は縁屋さん、中の木で組んだ下地は下地屋さんがいる。私たちふすま屋さんは、それらを買って組み立てる。昔から分業制でやっていて、一社が何かを変えるというのはできにくい業界だった」と説明する。

 そんな中、谷元社長は入社してすぐ「和室やふすまがかっこ悪い、昔のままの和室ではダメ」と感じた。デザインを変えようと自分なりの試みとして様々な取り組みを行い、入社2年目でインクジェットプリンターを買い、自分で印刷も行った。「独自で改革したかったんです。パソコンで画像処理をして印刷して作っていたら、インクジェットでやる物ではないと、紙の業者さんから文句を言われました。10年以上前のことです」

 その後も改良し、紙以外のフィルムにも印刷可能にして完成度を高めていった。同社では、木製のドアも制作し、和室が洋室に変わった分、ふすま以外の建具で仕事を確保。加えて和室をもっとお洒落にしよう、和室減少に歯止めをかける商品を作っていこうと、谷元社長は戦略を立てた。

インパクトのある表現方法で業界のイメージを変えたかった

 同社では、トラの絵のふすまも手がけていた。これは阪神タイガースのトラの絵で、球団の承認も得ている。「阪神タイガースの虎の絵柄を取り入れたのは、もともとファンだったから。それと、こういう変わったことを弊社がやっているというのをたくさんの人に知って欲しかった。とにかく、インパクトのある表現方法で業界のイメージを変えたかったんです」と谷元社長。

 阪神タイガース承認の「タイガースマジキリ(ふすま、ガラスドア、木製ドア)」を10月から販売した。販売に先駆け、大阪市住之江区で開催された展示会に出展。「けっこう驚かれました」と笑うが、「すでに1件売れました。お客様から自宅トイレのドアに印刷して欲しいって言われたんです。売れるとは思ってなかったんですけど。虎の絵以外にも、風神雷神図や和柄の色遣いをモダンにしたり、古典の和文様を現代風にアレンジしています。昔から残っているデザインは人気ですし、色使いの配置など工夫すれば、現代でも通用します」とうれしそうに話した。

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最終更新:10/2(火) 16:19
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