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「自撮り依存症」という病 深刻度の見極めは3段階 研究

2017/12/30(土) 9:01配信

The Telegraph

【記者:Sarah Knapton】
 ソーシャルメディア(SNS)に絶えず自分の写真を投稿せずにはいられない状態は、助けを必要とする「自撮り(セルフィー)依存症」と呼ばれる本物の精神疾患だとして心理学者らが警鐘を鳴らしている。

「セルフィー依存症」という造語が生まれたのは2014年。米精神医学会(APA)が疾患として分類することを検討中だというフェイクニュースの中で、セルフィーに対する強迫観念を表す言葉として登場した。

 果たして「セルフィー依存症」という病は本当に存在するのか。英ノッティンガム・トレント大学(Nottingham Trent University)とインドのティアガラハール経営大学院(Thiagarajar School of Management)の研究者らはこの現象を調査してそうした依存症が存在することを確認し、その深刻度を測定する「セルフィー依存症行動尺度(Selfitis Behaviour Scale)」まで作成した。

 特定の行動を対象とする依存症、行動嗜癖(しへき)に関する権威で、ノッティンガム・トレント大学心理学部教授のマーク・グリフィス(Mark Griffiths)博士は「APAに関するニュースはうそだったが、だからといってセルフィー依存という状態が存在しないわけではない。調査の結果、そういう状態は確実に存在すると思われる」と述べている。

 どういった要素でセルフィーを撮りたくなるのかを調べるために、研究チームはさまざまな対象グループ計200人に質問し、1~100までのポイントで深刻度を測定する評価尺度を作成した後、インドを中心とする400人に対し、この尺度を用いた調査を実施した。インドを選んだのは、フェイスブック(Facebook)のユーザー数が世界最多なことと、危険な場所でセルフィーを撮ろうとして死に至る例も最多という理由からだ。

■「目立ちたがり屋だが自信がないタイプ」がなりやすい?

 精神衛生と嗜癖に関する専門誌「インターナショナル・ジャーナル・オブ・メンタルヘルス・アンド・アディクション(International Journal of Mental Health and Addiction)」に発表された結果によると、「セルフィー依存症」には三つのレベルがある。

 まず1日に少なくとも3回はセルフィーを撮るが、SNSには投稿しない「境界線段階」。セルフィーを実際に3回は投稿してしまう「急性疾患期」、さらに一日中自分の写真を撮りたいという抑えきれない衝動に駆られ、日に6回以上セルフィーを投稿する「慢性疾患期」だ。

 研究者チームが発見した「セルフィー依存症」の典型的なタイプは、目立ちたがり屋だが自信が欠如している場合が多く、自分の社会的地位を向上させたいと願い、自分の写真を絶えず投稿することで何らかの集団に属している実感を得たがっている人々だという。

 チームは最終的に20項目の質問から成るセルフィー依存症を示す尺度を作成した。その中には「SNSにセルフィーを投稿すると自分の人気が高まる気がする」「セルフィーを撮っていないと、仲の良いグループとつながっていない気がする」といった質問が含まれている。

 ノッティンガム・トレント大学心理学部の研究員、ジャナルタナン・バラクリシュナン(Janarthanan Balakrishnan)博士はこう語る。「典型例として、この状態に陥っている人は自信がなく、周りの人たちに『溶け込みたい』と思っており、他の潜在的な依存行動と似た症状を示す。症状の重い人々を助ける方法を究明するために、さらなる研究が行われることを願う」

 一方で、「セルフィー依存症」はまったく存在しない病として、この調査結果に懐疑的な主張もある。

 英王立精神科医学会(Royal College of Psychiatrists)のマーク・ソルター(Mark Salter)博士は、「人間のあらゆる複雑な行動を、何もかも1語で片付けてしまおうとする傾向がある。だが、それは何もないところに何かが実在し得ると主張する危険な行為だ」と批判している。【翻訳編集】AFPBB News

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最終更新:2017/12/30(土) 11:09
The Telegraph

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