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ネトフリ参入、スマホゲーム成功でアニメ業界は良くなった? 現役監督が2017年のアニメ業界を総ざらい

2017/12/31(日) 18:27配信

BuzzFeed Japan

けもフレ、ネトフリ、宮崎駿監督の復帰...。2017年も作品はもちろん声優や周辺環境と話題が豊富だったアニメ業界。果たして同じ業界の人間はどう見ていたのか。2月に公開されたヒットした映画「劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-」の監督、伊藤智彦氏と共に2017年のアニメ業界を振り返る。
【BuzzFeed Japan / 徳重辰典】

――2017年ですが、まず伊藤さん自身でいうと劇場版ソードアート・オンラインが全世界累計の興行収入43億円を突破とヒットしました。ソードアート・オンラインに関わる仕事はいつまで続いたんですか?

中国公開で、9月に北京へ行ったのが劇場版ソードアート・オンラインの最後の仕事ですね。中国は人が多いし、国がでかい。深センほどではないにしても電子マネーが発達してたり、街並みを見て、これは勝てないと感じました。

――中国で流行っている日本アニメはあるんですか。

仲良くなったビリビリ動画の方が言うには、遅ればせながら「干物妹!うまるちゃん」が人気だと言ってましたね。

――昨年は、日本のアニメ監督を中国がスカウトしているとの話もお聞きしました。そうした状況は変わらないでしょうか?

俺が中国に行った時も、中国のスタジオに来る気はないかと誘われました。本気で言ってたのかはわからなかったですが、その時とは別に中国のとある会社からPVを作ってくれないかと指名で話が来たこともあります。スケジュール的に厳しいと返したら「スケジュールはいつでもいいんで」って返ってきて(笑)。中国側としたら、日本人の有名な監督にやってもらって箔をつけたいというのが特にあるらしいんです。

――NetflixやAmazonプライムでのアニメ制作も今年は話題になりました。資金力豊富なネット配信サービスの参入で日本のアニメ業界が潤う、と言われていますが、実際はどうなんでしょうか?

いろんな方に聞いた話を総合すると、確かに現場、制作スタジオに落ちるお金は増えるみたいです。全話納品がノルマらしいんですけど、そのお金だけでペイラインをクリアできるのに充分な実入りがある。スタジオ的にはとてもいいんですけど、メーカーサイドは難儀らしいです。

独占配信だと、何年間かパッケージ化できなかったり、他のサービス、例えば地上波でも流せないとか、アニメグッズの販売にも制限がついたり。配信サービスのアニメはワンチャンネルになってしまうので、これまでのような大ヒット、作品の広がりが厳しいかもしれない。新しい戦略が必要な気がします。

――10月に発表された「アニメ産業リポート2017」ではアニメスタジオへの制作費は「ゆるやかながらも上昇傾向」と書かれていました。労働環境は少しずつ改善されてきたのでしょうか。

アニメーターの給料に関して、そういう話は聞くようになりました。社会的な働き方改革の流れがアニメ業界にも入っていて、土日が完全に休日になった会社も出ています。特に東映のような大きい会社は厳しいみたいで、以前のように打ち合わせを入れようとすると「無理です」と言われます。

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最終更新:2017/12/31(日) 18:27
BuzzFeed Japan

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