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チケチャン閉鎖でチケット高額転売は解決する?進む法規制の行方は?

1/1(月) 8:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

ミクシィは傘下のフンザが運営するチケット転売サイト最大手「チケットキャンプ」のサービスを2018年5月末で終了すると発表した。

【全写真つき記事はこちら】チケチャン閉鎖でチケット高額転売は解決する?進む法規制の行方は?

商標法違反などの容疑で警察の捜査を受けていたことなどから、サービスの継続は難しいと判断。一部報道では、チケットキャンプ側が出品数を増やすために複数の転売業者を優遇し、手数料を減免していたことが報じられている。

昨今、社会問題として大きな関心を呼んでいるチケットの高額転売。人気アーティストのライブチケットは、時には数万円、数十万円と定価をはるかに上回る価格で売買される。それも転売禁止と明示されたチケットがほとんどだ。

今回の捜査によって、チケットキャンプ自体がこうした不正な転売業者の温床となっていたことが明らかになったと言えるだろう。

チケットの高額転売は何故ここまで問題視されるようになったのか。

市場原理は働いていなかった

きっかけは2016年8月、一般社団法人日本音楽制作者連盟、一般社団法人日本音楽事業者協会、一般社団法人コンサートプロモーターズ協会、コンピュータ・チケッティング協議会の4団体が、多くのミュージシャン賛同のもと「チケット高額転売取引問題の防止」を求める共同声明を新聞やウェブなどで発表したことだ。

声明は大きな反響を巻き起こしたが、賛同の声が多く集まる一方で、「都合が悪くなって行けなくなった時に他に売れる手段がないのは不親切」という声や、「転売は市場主義の原則」と擁護する声もあった。

もちろん、ライブやコンサートにやむを得ない事情で行けなくなったユーザーにとって転売のニーズはある。しかし問題の本質はそこではなく、「ネットダフ屋」と呼ばれる転売業者による投機的なチケット買い占めにある。

転売業者はボット(ネット上でチケットを大量に購入するプログラム)などの不正な手段を利用してチケットを大量に確保し、これを転売サイトに高額で売り出すことで大きな利益を上げていた。チケットキャンプがこうした業者を優遇していたとしたら、市場原理の原則は働いていなかったことになる。

「突き詰めると、音楽文化の継承に大きな損失をもたらすことになってしまうんです」(『音楽主義』75号より引用)

高額転売問題に対策を講じてきた野村達矢氏(一般社団法人「日本音楽制作者連盟」理事、株式会社ヒップランドミュージックコーポレーション常務取締役執行役員)は、筆者の取材に対しこう語っている。

月に数千万円単位の利益を挙げる転売業者が横行する一方で、本当にライブに行きたい音楽ファンの手にはチケットが渡らない。

こうした高額転売による収益はアーティスト側には還元されない。ファンが適正価格を超過する額の支払いを余儀なくされることで、グッズ販売なども含めたコンサートビジネス全体の収入に影響を与えてしまうなど、アーティスト側の収入にも大きな影響を及ぼしている。

ライブエンターテイメント全体の市場が拡大し音楽業界のビジネスモデルがCD販売から興行へと転換が進む中で、転売はクローズアップされるようになっていったのである。

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