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フィンテックの破壊力を読み解く~アマゾンの活用例~

1/4(木) 20:45配信

投信1

「フィンテック」――金融とテクノロジーの融合などと言われますが、その“主役”ともいえる位置にいるのがインターネット通販大手の米アマゾン・ドット・コムかもしれない、と聞いたら、あなたはどう感じるでしょうか。

「フィンテックって、テクノロジー系ベンチャー企業の金融領域での新規ビジネスのことじゃないの?」とか「既存金融機関におけるシステムをテクノロジーで発展させることなのでは?」と思われるかもしれません。

実際はそうした話はフィンテックが秘めるポテンシャルの一部を表しているに過ぎません。今後ミレニアル世代が主要な労働人口となり、金融サービスが未発達な新興国市場が成長する過程において、フィンテックを取り入れた新しいビジネスが数多く生み出され、育っていくはずです。

では、そのとき、金融機関でも新進気鋭のベンチャー企業でもなく、なぜアマゾンがフィンテックの“主役”になりうるといえるのでしょうか。

技術そのものではなく「活用方法」こそがフィンテックのキモ

例えば、近年急速に成長しているシェアリング・エコノミーの大手企業にUberとAirbnbがあります。前者はドライバーと乗客を結びつける配車サービス、後者は空き部屋オーナーと短期滞在者を結びつける民泊サービスを提供している企業です。新しいビジネスとして言及されることが多いこれらシェアリング・エコノミー企業ですが、彼らの成長に欠かすことができない要素が実はフィンテックなのです。

いずれの企業も、サービスを提供する人と利用する人をマッチングさせることをビジネスにしていますが、見知らぬ個人の間のお金のやり取りには多大なリスクとストレスが伴います。これらシェアリング・エコノミー企業は、フィンテックの要素技術の一つであるモバイル決済機能を自社アプリに組み込むことにより、お金のやり取りに伴う障壁を大幅に低下させました。また、提供者・利用者双方互いに利用状況を評価し合うデータを蓄積することにより、個人間のサービス利用・提供に伴う不安を解消し、急速に市場を拡大しました。

既に存在するビジネスにフィンテックを組み込むことにより、顧客に全く新しいサービス体験を提供することができる……まさにこれがフィンテックの「破壊力」なのです。金融機関のシステム効率化やアプリ対応、モバイル決済などはあくまで土台の技術であって、それらを活用したサービスが肝要なのです。

つまり、フィンテックの要素技術を上手に取り込み、新たなビジネスを創出する企業にはとんでもない伸びしろがあると考えられます。なぜならお金はすべての経済活動の裏側にあるものだからです。

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最終更新:1/4(木) 20:45
投信1