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歴史的な差別と基地問題がいじめを生む 翁長知事が語る沖縄デマとニュース女子

2018/1/4(木) 11:11配信

BuzzFeed Japan

日米安保の要として、米軍基地を押しつけられた沖縄を、二重に苦しめるのがデマだ。事故があれば「自作自演」、基地に反対すれば「反日」と決めつけられる。ネット上に止まらず、メディアの世界にも根拠なき誹謗中傷は広がる。そうした現象を支える問題点ついて、翁長雄志知事に話を聞いた。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】

【まとめ】沖縄が今抱えているものたち

2017年にはTOKYO-MXTVの番組「ニュース女子」が取材や確認なしに基地反対派は「日当をもらっている」「テロリスト」などと報じ、放送倫理・番組向上委員会(BPO)が「重大な放送倫理違反」と厳しく糾弾した。

BuzzFeed Newsの取材に応じた沖縄県の翁長知事は、沖縄に対する差別が存在し、その背景に歴史と基地問題がある、と指摘する。

「琉球人お断り」の時代から続く差別

「沖縄がいかに大変な状況に置かれているのか、昔より理解が深まったかと思っていましたが、決してそんなことはありませんでした」

12月中旬、東京都内でBuzzFeed Newsの単独取材に応じた翁長知事は、沖縄に対するデマをこう憂いた。

「昔」とは、沖縄への差別がはっきりと社会に広がっていた時代のことだ。戦後、沖縄がまだアメリカの統治下だった1950年生まれの翁長知事は当時の差別をはっきりと覚えている。

「日本に行くにはパスポートが必要で、ある意味で日本人ではないような扱いを受けていたのです。僕は法政大学に通っていたのですが、東京でのアパート探しで『琉球人お断り』という差別を経験しています」

日本への復帰から45年を経て「差別はもうなくなった」と思っていた。しかし、ネット上に溢れる言葉やニュース女子に、当時と同じ、沖縄への差別意識が背景にある、と感じたという。

改めて、問題の経緯を振り返る

「ニュース女子」はバラエティ色の強い報道番組だ。MXが放送しているが、制作は化粧品大手DHCグループ傘下「DHCシアター(現・DHCテレビジョン)」が担う。

スポンサーが制作費などを負担し、制作会社が作り、放送局が納品された完成品を放送する「持ち込み番組」だ。

問題があった1月2日の放送は「沖縄緊急調査 マスコミが報道しない真実」「沖縄・高江のヘリパット問題はどうなった?過激な反対派の実情を井上和彦が現地取材!」などと題し、沖縄・高江の米軍ヘリパッドへの反対運動を報じている。

番組内で、米軍ヘリパッド建設に反対する人たちを「テロリスト」と表現。「日当をもらっている」「組織に雇用されている」などと伝えた。

BPOの放送倫理検証委員会は番組に問題がなかったか、2月に審議入りし、12月14日、「重大な放送倫理違反」と厳しく批判する意見書をまとめた。MXやDHC側への調査をへて、指摘された問題点の概要は以下の通りだ。

・抗議活動を行う側に対する取材の欠如を問題としなかった
・「救急車を止めた」との放送内容の裏付けを確認しなかった
・「日当」という表現の裏付けを確認しなかった
・「基地の外の」とのスーパーを放置した
・侮蔑的表現のチェックを怠った
・完パケでの考査を行わなかった

「取材の欠如」「裏付けを確認しなかった」「考査を行わなかった」など、報道番組としての基本的な手順が踏まれていなかったことが明らかになった。

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最終更新:2018/1/4(木) 11:11
BuzzFeed Japan

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