ここから本文です

老衰死の割合高いと医療費低く。健康寿命長くなれば皆保険制度維持も可能?

1/6(土) 8:00配信

THE PAGE

 老衰で亡くなる人が多い地域ほど、医療費が低くなる傾向にあることが日本経済新聞社の調査で明らかとなりました。老衰で死を迎える人は、それまでに大きな疾患を抱えていなかったケースが多いそうです。寿命100年時代と言われますが、寿命の絶対値だけではなく、健康寿命を延ばす工夫が求められています。

 同社が人口20万人以上の130市区について調査を行ったところ、老衰死の割合が高い自治体は1人あたりの医療費(高齢者)が低く、逆に老衰死の割合が低い自治体は医療費が高いことが分かりました。調査した自治体の中で、老衰死の割合がもっとも高かったのは神奈川県茅ヶ崎市で、もっとも低かったのは大阪府の茨木市でした。

 老衰で死を迎えられるというのは、重大な疾患にかかっていないか、進行が緩やかであった可能性が高く、同じ寿命でも健康な状態で活動できる期間が長かったと考えられます。また過度に病院に依存していなかった可能性もあると記事では指摘しています。

 医療施設の整備は長寿にとって極めて大事な要素ですが、先進国の場合、一定の医療水準が保障されているため、必ずしも医療施設の多さが長寿をもたらすわけではありません。長野県は以前から長寿県として知られていますが、1人あたりの医療費が低く、医師数やベッド数も全国平均を大きく下回っています。

 一般的には寿命が延びると、それに比例して医療費も増大します。2015年度における国民医療費の総額は42兆円を超えていますが、国民から徴収する保険料と患者の自己負担でカバーできているのは全体の約6割にすぎません。残りは税金などから補填される仕組みになっており、公的負担がなければ、制度を維持することが難しくなります。

 国民の健康寿命が長くなり、医療費を抑制することができれば、国民皆保険の制度を維持できる見通しも出てきます。老衰が多い地域の高齢者がどのような生活習慣だったのかについて調査し、健康寿命を長くする方法を見つけ出すことができれば大きな効果がありそうです。

 病院にかからない方が長寿だからといって、通院を抑制するようなことはあってはなりません。しかし日本人は医者から処方される薬の量も多く、病院への依存度が高いのも事実です。どのようにして一生をまっとうするのがよいのか、国民的な議論がもっと必要でしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:10/1(月) 22:03
THE PAGE

あなたにおすすめの記事

Yahoo!ニュースからのお知らせ