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「住むなら東武沿線」と思わせる10の理由 都心直通と複々線が支える快適生活

1/5(金) 6:20配信

乗りものニュース

ふたつに分かれる路線網、共通点はある?

 2017年、鉄道ファンにとっての、東武鉄道の大きなトピックはSL「大樹」と、新型の500系特急形電車「リバティ(Revaty)」でした。「大樹」は日光地域と鬼怒川温泉地域を結ぶ片道約35分のSL列車。「リバティ」は東武の特急電車として26年ぶりの新車です。

【写真】国鉄時代にタイムスリップ? SL「大樹」の客車内

 東武鉄道の路線網は、大きくふたつに分かれます。ひとつは浅草を起点とする東武伊勢崎線を軸とした系統です。亀戸線・大師線・佐野線・桐生線・小泉線・日光線・宇都宮線・鬼怒川線・野田線で構成されます。もうひとつは、池袋を起点とする東上線です。東上本線と越生線で構成されます。東上線は東上本線の通称ですが、越生線と合わせて東上線と呼ぶ場合もあります。

「東京スカイツリータウン」から「リバティ」に乗ってSL「大樹」に乗る。これが東武鉄道にとって観光の「黄金ルート」と言えるでしょう。東武伊勢崎線・日光線・鬼怒川線が該当します。東武伊勢崎線の浅草寄りの区間は「東武スカイツリーライン」と呼ばれているほどです。

 一方、東上線は通勤・生活路線に徹している印象です。有料特急はありません。しかし着席保証の通勤客向け有料列車「TJライナー」があります。

 東上線の2路線が伊勢崎線系統の路線網から離れている理由は、もともと東上鉄道という別の会社だったからです。2つの地域に分かれており、今回、運行状況も異なる路線網を「東武鉄道」というくくりでまとめていいのかな、とも思いました。それでもがんばって、筆者の独断と思い込みによる「東武鉄道らしさ」「東武鉄道ライフ」を「東武鉄道ベストテン」としてまとめました。今回は他社の回より異論・反論ともありそうですね。ぜひSNSなどで盛り上がってください。

【1位】家賃、不動産、物価が安めで暮らしやすい

 鉄道ファンにとって東武鉄道の魅力はSL、分割併結する特急、座席が回転する「TJライナー」です。しかしこの記事は「住む」を重視。そこで、住宅情報サイトなどで東武鉄道沿線の声を読んでみたところ、住んでいる人、住居を探している人にとって東武鉄道は「派手なブランド力はないけれど、住みやすい沿線」として満足度が高そうでした。

 住みやすさについて伊勢崎線系統、東上線系統の沿線ともに「家賃や不動産価格の低さ」「物価の安さ」を上げる声が目立ちました。そこで不動産相場を調べました。伊勢崎線は東京メトロ半蔵門線を介して、東急田園都市線と直通運転しています。半蔵門線の大手町駅から急行で約43分の伊勢崎線・越谷駅と東急田園都市線・あざみ野駅を比較しましょう。

 住宅情報サイト「SUUMO」によると、越谷駅がある埼玉県越谷市全体の土地価格相場は坪あたり50万円です。あざみ野駅がある横浜市青葉区全体の土地価格相場は坪あたり103.3万円です。なんと2倍の開きがありました。同様に、約1時間圏内の埼玉県春日部市(東武沿線)は坪あたり34万円、東京都町田市(東急沿線)は坪あたり60.6万円です。

 東上線は副都心線を介して東急東横線と直通運転しています。こちらは大手町から約35分の東上線・和光市駅がある埼玉県和光市と、約37分の東急東横線・武蔵小杉駅がある川崎市中原区を比較します。どちらも乗り換え1回です。和光市は113.1万円、中原区は192.3万円でした。和光市は東京メトロ有楽町線・副都心線の始発駅でもあり、埼玉県内でも人気の高い地域です。中原区は武蔵小杉に象徴するような高層マンション街へ変貌し、川崎市でも特に地価の高いエリアになりました。

 東武沿線は、都心から等距離の東急沿線に比べて地価が安いと分かりました。地価が安ければ賃貸住宅の相場も安くなります。物価について、政府が発表する2017年10月の小売物価統計調査を俯瞰してみました。食品については大きな差はないようです。しかし、物価は地価と連動します。大手スーパーの価格は統一されていることでしょうし、駅前の一等地の店は安売りしないかもしれません。ただし、駅から少し離れると、個人経営の小売店では売り切り値引きが行われるでしょう。そのような実情から、東武沿線の人々は、実際に買い物をして物価が安いと感じ取っているかもしれません。あるいは買い物上手といえそうです。

 東武沿線の地価が安い理由のひとつは、大手デベロッパーが関与したニュータウンが少なく、地域のブランド力が低いという理由がありそうです。東武鉄道が関与したニュータウンは東上線沿線の志木ニュータウンがあり、そのために柳瀬川駅(埼玉県志木市)を開業しています。しかし、その他の地域の大規模住宅開発は公営団地が多いようです。

 都心で同じ給与体系で働いた場合、家賃や物価が安い場所に住めば暮らしやすいと言えます。東武鉄道沿線は他の沿線に比べて、比較的暮らしやすいと言えそうです。名を捨て実を取りましょう。

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