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白いつぼみの希少ユリ 幻の品種「鳥巣の白蕾」産地拡大へ 佐賀

1/6(土) 10:51配信

佐賀新聞

 つぼみの時から花弁が白く、他品種にない特徴を持つシンテッポウユリ「鳥巣の白蕾(はくらい)」の普及に向けた取り組みが広がりをみせている。従来は準高冷地で夏季のみ出荷される“幻の品種”だったが、平たん地での栽培や新たな作型の開発が進み、長期間の出荷も可能になってきた。奥ゆかしさやかれんさを生かして幅広い用途に活用でき、佐賀を代表するブランドへの成長が期待される。

 「鳥巣の白蕾」は、標高600メートルを超える唐津市浜玉町の鳥巣地区で誕生した品種。同地区で31年間、花を栽培している岩宗九須夫さん(53)が17~18年前、通常は緑色のシンテッポウユリのつぼみの中に1本だけ白いものを見つけた。

 生産性を上げるため、他のユリと掛け合わせて品種改良し、鳥巣地区での栽培条件に合うように育成。2006年に品種登録、14年には「真美白花」の名称で商標登録している。

 つぼみの状態から白いため鑑賞期間が長く、開花後の花弁も純白度が高い。仏花に限らず、ブライダルやアレンジなどにも使われ、関東の市場などでは一般的な品種に比べ約3倍の高値で取引されているという。

 ただ、生産者は鳥巣地区を中心にわずかで、出荷期間も7~9月上旬と短いことから産地の育成、強化が課題になっていた。

 このため、東松浦農業改良普及センターは14年度から、産地育成の取り組みを始めた。生産者やJAなどと連携して研究会を発足。鳥巣地区の栽培時期前後に「リレー出荷」ができるように、杵島郡江北町や佐賀市大和町などの平たん地で栽培し、1度収穫した株を使った「2度切り栽培」の新作型開発にも成功した。

 県内の生産者は現在、8人に増え、14年度に2万2千本だった出荷本数は本年度、5万6千本になった。作付面積は11アールから31アールに広がり、来年度は40アールを超える予定。出荷期間も6月から翌年1月までの8カ月間に延びる見通しという。

 岩宗さんは栽培の広がりについて「自分の子どもが認知されているようでうれしい」と喜び、「フルシーズン出荷できるようになったら」と期待する。

 普及センターは「鳥巣の白蕾」の希少価値を大事にしながら生産者を増やし、市場ニーズの把握や商談会などでPRに努めていくとしている。

最終更新:1/6(土) 10:51
佐賀新聞