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実質賃金11カ月ぶり増加 デフレ脱却の鍵、物価上昇にようやく追いつく

1/10(水) 7:15配信

SankeiBiz

 厚生労働省が9日発表した2017年11月の毎月勤労統計調査(速報値、従業員5人以上の事業所)によると、賃金の伸びから物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比で0.1%増加した。増加は11カ月ぶりで、物価上昇に賃金増がようやく追いついた。安倍晋三首相は、18年春闘で経済界に3%以上の賃上げを要請しており、どこまで波及するかが、政権が目指すデフレ脱却の鍵を握る。

 1人当たりの現金給与総額(名目賃金)は0.9%増の27万8173円で4カ月連続のプラスとなった。基本給を含む所定内給与が0.4%増の24万1303円と8カ月連続で伸び、全体を押し上げた。残業などの所定外給与は2.6%増の2万467円。賞与など特別に支払われた給与も7.5%増の1万6403円に伸びた。

 ただ、11月は石油などエネルギー価格の上昇を受け消費者物価指数も0.7%上昇。このため実質賃金の伸びも押し下げられたが、厚労省の担当者は、実質が11カ月ぶりに増えたことに対し「給与全体の伸びが継続している」と説明した。

 今後の焦点は、高い賃金上昇の流れが継続するかどうかだ。経団連の集計によると、大企業の賃上げ率は17年まで4年連続で2%を超えた。ただ、それでもデフレ脱却には結び付いていない。このため、安倍首相は今月5日の経済3団体の新年祝賀会で、企業トップらに「3%(の賃上げ)をお願いしたい」と、直接、賃上げを要請した。

 経済界では、流通や銀行を中心に賃上げに前向きな企業が増える一方、国際競争の激化などを背景に自動車や電機などは慎重な姿勢を示す。消費喚起によるデフレ脱却につなげるためにも、春闘で賃上げの動きがどれだけ広がるかが焦点になる。

最終更新:1/10(水) 7:15
SankeiBiz