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米雇用統計、下がらない失業率と上がり始めた賃金の行方

1/9(火) 21:25配信

投信1

12月の米雇用統計では雇用者数の増勢が鈍化した一方で、賃金の伸びが回復しました。2017年は失業率と賃金の伸びがともに低下した1年となりましたが、2018年はこの動きが反転するのかどうか、今回は最新のデータに基づいてその可能性を探ってみました。

失業率は3.5%まで下がるのか? 供給面からは慎重な見方も

12月の米雇用者数は前月比14.8万人増と、事前予想の19万人程度を下回りました。ただ、3カ月平均は20.4万増となったことから、強弱どちらとも解釈可能な結果となり、市場には慎重な見方と楽観的な見方が入り混じっているようです。

楽観的な見方の背景には、昨年12月に成立した減税法案に加え、今年はインフラ投資を促進する法案や一段の規制緩和への期待があります。たとえば、ゴールドマン・サックスは2018年の失業率を3.5%、2019年には3.3%にまで低下するとの見通しを出しています。

ただし、雇用改善の余地が乏しくなっている様子がうかがえることから、慎重な見方も少なくはありません。たとえば、12月の雇用統計ではフルタイムの従業員数が前月比2.5万人減少し、パートタイムの従業員が11.9万人増加、兼業者数が30.5万人増加しています。

雇用者数は給与明細書の数と一致しますので、1人で2つの会社から給与を受け取ると統計上は2人となります。したがって、12月の雇用者数の増加はパートの掛け持ちが増えただけである可能性もあるわけです。

また、2008年の金融危機を受けて2010年には1500万人を超えていた失業者数も12月は657万人にまで減少し、金融危機前の2007年の水準を下回っています。ただ、大卒に限ると失業者数は120万人となり、この1年で15万人しか減少してません。

12月の大卒の失業率は2.1%と11月からは横ばい、10月の2.0%から小幅に上昇しています。また、失業者の定義を広げた12月の広義失業率は8.1%と、前月の8.0%から上昇しています。専門性の高い人材の供給が不足し、人員の補充が難しくなっているほか、より一般的な職業についても適材適所な人材は底払いされてしまった様子がうかがえます。

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最終更新:1/9(火) 21:25
投信1