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こんなにある改姓の不便 夫婦別姓を選べるよう、国を提訴

1/9(火) 12:24配信

BuzzFeed Japan

結婚しても戸籍法上の姓を変えないことを選べる「選択的夫婦別姓」を求め、東証一部上場のソフトウェア会社サイボウズの青野慶久社長(46)らが1月9日、東京地裁に提訴した。【BuzzFeed Japan / 小林明子】

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提訴は春の予定だったが、1月9日付で史上6人目の女性最高裁判事に就任した宮崎裕子氏が、初めて最高裁で旧姓を名乗ることもあって前倒しした。原告代理人の作花知志弁護士は「旧姓使用の苦労を知っている判事の在任中に、最高裁までたどりつきたい」と意気込む。

2015年12月、最高裁大法廷の判決は民法の夫婦同姓の規定を合憲としたが、女性判事3人を含む5人が「夫婦同姓は違憲」とする反対意見を述べていた。

原告4人は、戸籍法上の姓を名乗れないために精神的苦痛を受けたとして、計220万円の損害賠償を国に求めている。原告は青野さんの他に、旧姓を使い続けたいと希望しているが結婚により改姓せざるをえなかった人、旧姓を使い続けたいと希望しているため事実婚にせざるをえないというカップルの3人。

「旧姓に法的な根拠を」

青野さんは2001年に結婚したとき、妻の希望に応じて妻の姓を選んだ。「青野」は結婚前の旧姓で、戸籍上の姓は「西端」だ。

提訴することが明らかになってから、青野さんは積極的にメディアのインタビューに答えたり、自身のブログやSNSで発信したりしてきた。

1月4日にはインターネット署名サイトChange.orgで署名キャンペーン「夫婦同姓・別姓を選べるようにするため、私たちの訴訟を応援してください!」をはじめ、9日正午時点で1万7000人超が賛同している。

東京地裁に訴状を提出したあと、記者会見を開いた青野さんは、「私の旧姓、いま困っている人たちの旧姓に、法的な根拠を与えてください。そうすることで、たくさんの人が救われるはず」と述べた。

どんな訴えなのか

作花弁護士によると、2015年の最高裁は、結婚するときに夫婦どちらかの「民法上の姓」を選ぶ民法750条を合憲としたが、「戸籍法上の姓」についてはこれまで専門家の間でも注目されていなかった。今回の提訴では民法上の姓の変更についてはこれまで通りで、旧姓を名乗り続けるための戸籍法上の根拠を求めている。

「民法と戸籍法は表裏の関係であり、民法で姓が変わったら戸籍法上でケアする規定をきちんと設けている。日本人同士の離婚や、日本人と外国人の結婚、離婚では戸籍法上のケアがあるのに、日本人同士の結婚の場合には民法750条で姓を変える義務があるにもかかわらず、戸籍法上のケアができていない」

また作花弁護士は、職場などで旧姓の通称使用が広がっている点について、「あくまで小さなソサイエティでのルールにすぎない」と解説する。公務員や裁判官などが公文書を通称で作ることを認める通達があったが、「法律上の根拠がない名前で作った文書で誰かに不利益が生じた場合、適法だと言い切れるのか」と指摘する。

「日本人同士の結婚で旧姓を通称使用している人だけが、ものすごく不安定な立場にある。いったい自分はどこまで旧姓で書面を作っていいのかわからない。旧姓を社会生活上も使いたい人のために、戸籍法上の規定を4分の1の人にだけ適用しない合理的な理由はないと考えます」

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最終更新:1/9(火) 12:24
BuzzFeed Japan