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<東京円>日銀国債購入減で円急伸 「金融引き締め」観測

1/10(水) 20:24配信

毎日新聞

 日銀が金融緩和の一環で実施している国債の買い入れ額を減らしたため、9日から10日にかけて外国為替市場で円高が進み、世界的に長期金利が上昇する一幕があった。日銀は「金融政策の変更ではない」と強調するが、米欧が金融緩和から引き締めへと「出口」に向かう中、日銀の金融政策の方向性に市場が神経質になっていることを裏付けた。

 日銀は9日、残存期間10年超25年以下と25年以上の「超長期国債」の市場からの買い入れ額を、昨年12月28日の前回買い入れ時より、ともに100億円減額し、1900億円と800億円にした。これを受け、9日の東京外国為替市場で円相場は、買い入れ額公表前の1ドル=113円台前半から112円台半ばまで急速に上昇。10日には111円台まで円高が進んだ。長期金利も、10年債から30年債までの利回りが、9日に前日比0・01~0・02ポイント上昇(債券価格は下落)した。長期金利の上昇は米欧にも及び、米国の10年物国債利回りが10日に17年3月以来の水準となる2・55%をつけ、ドイツやオランダでも長期金利が上昇した。

 背景にあるのが、日銀の金融緩和縮小観測だ。日銀は「国債の需給に合わせた通常の取引で、引き締めではない」(日銀関係者)と強調するが、金融市場では、景気拡大が続いていることや、4月に黒田東彦総裁の任期満了を迎えることから、「年内にも長期金利引き上げなどの政策変更があるのでは」との観測が広がっている。日銀が16年9月に長期金利(10年物国債利回り)を0%程度に誘導する政策を導入して以降、国債購入ペースを急速に鈍化させている経緯があり、今回のさらなる減額が引き締め観測を強めた格好だ。

 今回、日本だけでなく、米欧でも長期金利が上昇したことは、米欧中銀が「出口」に向かう中で、日銀の緩和マネーが世界的な低金利を支えている側面を示す。市場では「世界的な長期金利上昇や円高を引き起こしたことで、日銀の出口政策の難しさを改めて示した」(大手証券)との指摘が出ている。【宮川裕章、松本尚也】

最終更新:1/10(水) 20:24
毎日新聞