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日銀が超緩和を続けると、出口の混乱が拡大する

1/10(水) 21:20配信

投信1

日銀の出口戦略は、どのようなリスクがあるのか、久留米大学商学部の塚崎公義教授が解説します。

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日銀は、いずれは超緩和をやめる時が来ます。その時のことはその時に考えれば良いのかもしれませんが、筆者はそうは思いません。現在の金融政策を評価するためには、出口で起こり得る混乱の大きさも考える必要があるからです。

長期国債が暴落する

世の中のインフレ率が2%を超え、日銀が出口を模索し始めるということは、ゼロ金利が遠からず解除されるということです。

長期金利のゼロ状態が解除されるということは、日銀が長期国債を購入しなくなるかもしれません。現在は、金利ゼロの長期国債を購入しても、日銀が100円で購入してくれることがわかっているから投資家たちは安心して長期国債を購入していますが、日銀が買わないかもしれないと思った途端に投資家は怖くなります。

しかも、インフレ率が2%を超えているということは、長期金利が2%以上あることが自然ですので、長期金利はそこまで跳ね上がるはずです。そうなれば、金利ゼロの長期国債は暴落するでしょう。

そこで、投資家たちは、日銀が出口戦略を検討し始めたという噂が流れた途端に、国債を一斉に売却します。10年物国債は発行済のすべての国債が一気に日銀に売りつけられることになるでしょう。年限がそれより長い国債は、文字通り暴落するでしょう。

設備投資需要が急増してインフレが加速する

長期金利が急上昇することが容易に予測できる時には、企業は借金をして設備投資をするでしょう。家計も借金をして家を建てるでしょう。景気が良く、インフレ率が上昇している時に、大量の工場や家が建てられるとすれば、インフレを加速するでしょう。

通常であれば、景気が回復してインフレの足音が聞こえると、長期金利が上昇して設備投資等を抑制するのですが、日銀が長期金利をコントロールしているため、むしろ駆け込み需要を喚起してインフレを加速してしまう、というわけです。

しかも、それは需要の先食いですから、建設が一巡した後は、景気が腰折れするかもしれません。金融政策による景気の舵取りは極めて難しいものとなるはずです。

そうしたことを考えると、長期金利をコントロールするという現在の政策は、問題が多いように思います。そうはいっても、今から撤回することは難しいのでしょうね。金融緩和が後退した印象を与えかねませんし、撤回の仕方も難しいです。

いきなり撤回すると、約束を破ったことになりかねません。「10年債はいつでも日銀に買ってもらえる」という市場の信頼を裏切ることになりますから。

そこで筆者は、以下の宣言をすべきだと考えています。「長期金利の目標を、0%と0.1%の間と定める。この幅の下限は0%に固定したまま、上限を2カ月ごとに0.1%ずつ引き上げていく。本当の出口を迎えた時のショックを和らげるための、ウォーミングアップである」。

市場実勢が上限を下回るようになれば、「長期金利については日銀は関与しない」と宣言すれば良いのです。出口戦略における長期国債市場の混乱を考えると、長期金利の目標だけでも早期に撤廃(実質無効化)しておくべきだと考えている次第です。

なお、筆者の案は、現在の政策の誤りを認めることにもなりかねないので、新しい日銀総裁が就任したタイミングでの発表が望まれます。

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最終更新:1/10(水) 21:20
投信1