ここから本文です

東大「アルツハイマー病モデルマウスに対するアンセリンの脳機能改善報告」がSR誌に

1/10(水) 12:11配信

健康産業新聞

東京大学総合生物科学科の久恒辰博氏らのグループによる「アンセリンがアルツハイマーマウスの神経血管単位の機能不全と空間記憶を改善する」という研究論文がこのほど、ネイチャーの姉妹誌サイエンティフィックリポーツに掲載された。

健康産業新聞(UBMジャパン)

研究では18ヵ月齢のAβPPswe/PSEN 1 dE9アルツハイマー病(AD)モデルマウスを使用。このADモデルマウスは18ヵ月齢では記憶障害を起こすが、アンセリン8週間投与により記憶障害が完全に回復し、脳内皮細胞の周皮細胞被覆率が改善しさらに慢性グリア性神経炎症反応が減少することを確認。これにより、アンセリン(β-アラニル-3-メチル-L-ヒスチジン)が内皮細胞、周皮細胞および支持グリア細胞からなる神経血管単位に保護作用を及ぼしADモデルマウスの記憶機能が改善されることを示唆した。

同研究は、老化ADモデルマウスの神経血管単位および認知機能がアンセリン投与で改善されるか否かを決定するために実施。サケ筋肉(カルノシン非含有)からアンセリンを精製し試料として使用した。脳内の神経血管単位は血管細胞(内皮細胞および周皮細胞、血管細胞、血管平滑筋細胞)、星状細胞およびミクログリアを含む支持グリア細胞からなる。最近の研究では周皮細胞が神経血管単位およびAD病因に中心的な役割を果たすことが示され、アンセリン投与によりADマウスの空間学習と記憶障害が改善することが判明した。これらのマウス脳組織の詳細な試験からアンセリンの効果は周皮細胞変性に対する保護活性によるものと示された。

最終更新:1/10(水) 12:11
健康産業新聞