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クルマの電子ミラーは普及するか ルームミラー電子化で運転動作はどう変わる?

1/10(水) 6:20配信

乗りものニュース

鏡とモニター、自動で切り替え可能に

 自動車用ミラー大手の村上開明堂(静岡市葵区)が、ルームミラーにカメラモニター機能を備えた「ハイブリッドインナーミラー」を開発しました。2018年1月時点で、今後発売される量産車への搭載が決まっているといいます。

【図】電子ルームミラーの仕組み

 どのような商品なのか、村上開明堂に詳しく話を聞きました。

――「ハイブリッドインナーミラー」はどのような商品なのでしょうか?

 鏡にもなり、ディスプレイにもなるルームミラーです。電源が入ると、リアバンパー近くのカメラ映像を映し出します。後部座席の搭乗者や、荷室の荷物などによって視界がさえぎられることなく、車両の後方の広い範囲を認識できるうえ、暗い場所でも明るい映像を得ることができます。

――このような電子ルームミラーは、他社でも開発しているのでしょうか?

 はい。電子ルームミラーはすでにいくつかの車種で、主にディーラーオプションとして設定されています。一方、当社として初めて量産車への採用が決まった「ハイブリッドインナーミラー」は、全グレード標準装備とまではならないと思いますが、あらかじめ装備された状態でクルマが生産されます。

――ほかの電子ルームミラーと比べて、どのようなメリットがあるのでしょうか?

 当社製品は業界初の「特殊ミラー素子」を使用した透明ディスプレイを採用している点が特徴です。従来製品は反射率を抑えたミラーに強い光を当てて映像を映し出すしくみで、外光の当たり方によっては映像が見にくくなることがありました。当社製品は視認性を向上させているほか、強い光を使う従来製品に比べると省電力で、この点も将来的にEV化が進むとメリットになってくるでしょう。

 また、エンジン停止時には自動でモニターから鏡に切り替わるほか、走行中もボタンひとつで手動切り替えが可能です。

既存のバックモニターはどうなる?

 このような電子ルームミラーが普及すると、運転はどう変わるのでしょうか。再び村上開明堂に聞きました。

――そもそも「ハイブリッドインナーミラー」をなぜ開発したのでしょうか?

 ルームミラーやサイドミラーを、カメラやモニターで代替する動きを踏まえたものです。日本では2016年に道路運送車両法の保安基準が改正され、いわゆる「ミラーレス車」の製造が可能になりました。

――現在でも多くの車両で、ギアを「R」に入れると後方を映すバックモニターが搭載されていますが、これはどうなるのでしょうか?

 確かに、当社製品はバックモニターの代わりにもなり、ギアを「R」に入れると車両後方下部の映像もルームミラーに映し出されます。前座席の中央(インストゥルメンタルパネル部分)にあるバックモニターを見ながらバックするのと比べて、視線の移動が少なくなり、かつ後方の全体像を把握することができます。

――現在のバックモニターでは、モニターだけに頼らず後方を目視しながらバックする旨が警告されることがありますが、バック時の後方確認などの動作はどのように変わってくるのでしょうか?

 当社製品でも、たとえばクルマの側方やリアバンパーの両端部などは死角になりますので、目視による確認も必要です。また、バックモニターには(車両が動く方向を線で示すといった)さまざまなガイドが表示されますが、「ハイブリッドインナーミラー」にはそのような情報は表示されませんので、従来のバックモニターとの併用が考えられます。

※ ※ ※

 村上開明堂によると、「ハイブリッドインナーミラー」の発売は2020年中旬の予定だといいます。このような電子ルームミラーについて、「安全装置としての認知度が上がれば、普及が進むでしょう」と話します。

乗りものニュース編集部