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トランプ“暴露本”に見る大統領の再選可能性

1/10(水) 18:55配信

ホウドウキョク

トランプ政権の内幕を描いた書籍「炎と怒り」は、アマゾン・ドット・コムやアメリカ最大手の書店チェーン「バーンズ・アンド・ノーブル」でベストセラー1位にランクされている。

【画像】トランプ政権の暴露本「炎と怒り」

その売れ行きの余波で、トロント大学の教授が2008年に出版した同名の本もベストセラーになったという。暴露本への関心の高さがうかがえる話だ。

勝つ気がなくても『コア支持層』あり

本の内容で特に注目されるのは、「トランプ氏は大統領選で勝つ気はなく、売名目的だった」とされている点だ。バノン氏が「そんなトランプ氏を当選させたのは俺の力だ!」とアピールしたい思惑もあったのだろう。

その真偽を確認するのは困難だが、そんな風に描かれる候補者が、出馬表明から1年半の長い戦いを勝ち抜き、本選挙では6298万票を獲得して当選した事実をどう受け止めたらいいのか。

これを民主主義の危機と言う人たちもいるが、私は、トランプ氏に期待を寄せ、あるいは期待せざるを得ない『コア支持層』の存在とその背景を改めて意識してしまう。

コア支持層を引きつけ続けることが、トランプ再選の必要条件であり、基本戦略だからだ。

大統領の支持率が選挙期間中と同様、38%プラスマイナス3%のボックス圏内で推移している現状は、悪くないと言える。

トランプ減税実感で支持拡大の可能性

しかも、トランプ大統領はこれから数ヵ月の間に、支持率を上げていく可能性が考えられる。その鍵となるのは、減税の確認だ。

昨年末に実現にこぎつけた「トランプ大型減税」については、大企業や富裕層ほど恩恵が大きい「金持ち優遇策」だと批判されている。

だが、アメリカでは給与所得者も一人ひとりが自己責任で確定申告書類を準備し、提出しなければならず、税の痛みには敏感だとされる点に注目したい。

減税が確定申告で確認できるのは来年になるが、ある程度の規模の会社では、社員は今年2月ないし3月から、給与明細を見れば源泉徴収額が減っているかどうか、前年に比べてどのくらい減っているかを確認できるようになる。

額の多い少ないはケース・バイ・ケースだが、減税を確認する有権者が多ければそれだけ、大統領の支持拡大につながる。

「トランプ減税で景気が良い」という意識も大統領にはプラスに働く。また、主に低所得者向けの「給付の削減」がやって来るのは、野党民主党が様々な抵抗を続けるため、まだ先の話になる。

減税が先行する状況は、11月の中間選挙で大統領と与党共和党に有利に働くことになりそうだ。暴露本をめぐるドタバタとは裏腹に、トランプ大統領の再選戦略は着々と進んでいるように見える。

最終更新:1/10(水) 18:55
ホウドウキョク