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李明博政権、UAEと秘密軍事条約…「憲法違反」の波紋

1/10(水) 11:54配信

ハンギョレ新聞

元国防長官「原発受注の時、有事の際の韓国軍介入を約束」 キム・ジョンデ議員「外交部で協約翻訳時に狂気の沙汰だという反応」 国会の条約締結・批准同意権の侵害を指摘

 昨年12月11日、イム・ジョンソク大統領府秘書室長のアラブ首長国連邦(UAE)訪問の理由が、李明博(イ・ミョンバク)政権当時に結んだ「非公開軍事条約」のためだという分析が有力となっている。キム・テヨン元国防部長官が9日、「2009年に原子力発電所の受注契約を結び、有事の際、韓国軍の介入を約束する非公開軍事条約(条約)を主導した」と認めたからだ。イム室長のアラブ首長国連邦訪問をめぐり、ひと月の間提起された各種の疑惑はいまや、国会の同意なしに軍事協定を結んだ李明博政権の「憲法違反」の波紋にまで広がっている形だ。

 李明博政権の国防部長官(2009年9月~2010年12月)だったキム元長官は9日付の中央日報とのインタビューで「当時、アラブ首長国連邦の原発事業はほぼフランスに渡った状態だった。(アラブ首長国連邦の説得のために)韓国がアラブ首長国連邦に『オールイン(all-in)』しているということを示した」とし、「アラブ首長国連邦が軍事的な困難がある時、韓国軍が行く(介入する)協約を締結した」と明らかにした。

 キム元長官は、原発受注発表の1カ月前の2009年11月、アラブ首長国連邦に行ってきた。その後国会国防委員会では、政府がアラブ首長国連邦紛争時の韓国軍の自動介入を保証する軍事協力秘密了解覚書を締結したのではないかという質問が殺到したが、キム元長官は「秘密の約束はない」とし、強く否定した。しかしこの日、キム元長官が秘密軍事条約の存在を認めながら「国会偽証」の事実が確認され、「イム・ジョンソク室長のアラブ首長国連邦訪問論議」は「李明博政権の憲法違反論議」へと焦点が変わっている。議論の初期から李明博政権の秘密軍事協定の疑惑を絶えず指摘してきた正義党のキム・ジョンデ議員は、この日ラジオインタビューで「一部問題になる条項を修正しようとソン・ヨンム国防部長官がアラブ首長国連邦に行き、これにアラブ首長国連邦は自尊心が傷つけられた。これを収拾するためにイム・ジョンソク秘書室長が行った」と主張した。

 問題は李明博政権が韓米相互防衛条約にもない「有事の際の軍の自動介入」条項を国会批准なしにアラブ首長国連邦と約束したということだ。政界の内外では、中東地域紛争に韓国軍が巻き添えになりうる外交的に重大な事案を秘密にしたことを問題視する声が高まっている。キム・ジョンデ議員は「当時、キム・テヨン長官が署名したものを韓国語に翻訳したのが外交部だ。ところが翻訳しながら『これは狂気の沙汰だ。国防部は狂っている』という反応が外交部から出たという」とし、当時の外交部も協約の問題を認知していた事実を伝えた。キム元長官も、中央日報のインタビューで「私が責任を負って(国会批准が必要ない)協約にしようと言った。実際に問題が起きたらその時国会批准を受ければいいと思った」と話した。

 憲法に明示された国会の条約締結・批准に対する同意権(第60条1項)を侵害する深刻な問題だという指摘とともに、真相を明らかにして、協約当事者たちに責任を問わなければならないという主張も出た。参与連帯は同日、論評を発表し、「深刻な憲法違反行為で、国会は直ちに国政調査を実施しなければならない。政府も提起される疑惑と問題点を国民に説明し、李明博政権当時の責任者たちに対する相応の措置を取らなければならない」と要求した。国民党のパク・チウォン議員も「憲法を無視したMB(李明博元大統領)と当時与党のセヌリ党の後継者たちに刑事的責任を問うなど、厳重な措置を取って、このようなことが再発しないようにすべきだ」と指摘した。

イ・スンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

最終更新:1/10(水) 11:54
ハンギョレ新聞