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震災で亡くなった愛息、似顔絵で成人に 那覇市の森琢磨さんがプレゼント

1/10(水) 6:15配信

沖縄タイムス

 東日本大震災の被災者や大切な人を失った人たちに無償で似顔絵を描き続けている那覇市のイラストレーター、森琢磨さん(44)が成人の日の8日、宮城県名取市閖上地区を訪ね、当時中学1年生の13歳で、津波で亡くなった丹野公太さんが20歳になった姿を想像で描き、母親の祐子さん(49)にプレゼントした。祐子さんは「息子の成長が楽しみだった。成人した姿に出会えてうれしい。似顔絵は私の宝物」と喜んだ。

 森さんは震災直後から月1回のペースで東北を訪れ、ボランティアで似顔絵を描いている。これまで手掛けたのは8842人分(8日現在)に上る。

 森さんと祐子さんの出会いは3年半前。森さんが「もう一緒に並んで写真が撮れない人も、絵の中でなら一緒に描くことできる」と丹野さん家族がそろった似顔絵を描いた際、「20歳になった息子も描いてほしい」とのリクエストを受けた。

 それ以降、祐子さんと連絡を取り合い、今回約束を果たすため宮城県を訪問。津波で亡くなった公太さんの同級生2人の晴れ姿も描き、それぞれの家族に贈った。

 A3サイズの画用紙に描かれた公太さんは、紺色のスーツでネクタイを締めて笑みを浮かべた表情。森さんは「公太君の中学生のころの写真を見て、成長した姿を思い浮かべて描いた。似顔絵を届けることができて感無量」と喜んだ。

 祐子さんは「震災からもうすぐ7年。絵を見た瞬間に息子の面影があって、すぐに笑顔になった」と感激した様子。「森さんの絵は人を笑顔にしてくれる。魔法使いみたい。これからもみんなを笑顔にしてほしい」と話した。(社会部・吉川毅)

最終更新:1/10(水) 6:15
沖縄タイムス