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戦略を実行に移すには--ITリーダーから学ぶベストプラクティス

1/10(水) 6:30配信

ZDNet Japan

 戦略と実行の間にあるギャップは、古くからある問題だ。Harvard Business Reviewの記事によれば、企業役員の3分の2は、所属組織は戦略を実現するだけの能力を備えていないと考えているという。最高情報責任者(CIO)には、そのギャップを埋めるために何ができるだろうか。この記事では4人のITリーダーから、優れたアイデアを組織の意思決定の場に持ち込み、組織として実現するためのベストプラクティスについて話を聞く。

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1.総合的なアプローチで、人を結びつける変化を生み出す

 リーダーシップの専門家は、戦略と実行の違いについて議論し続けている。しかし英国の大手百貨店House of FraserのCIO Julian Burnett氏は、戦略と実行は事実上表裏一体のものだと考えている。「私の考えでは、戦略が実行されずに独立して存在することはあり得ない」と同氏は言う。

 Burnett氏によれば、組織のすべての構成員が、変化の中で自らが果たす役割や、自分が所属するチームを理解するためには、コミュニケーションが必要不可欠だという。同氏は、CIOはすべての要素を網羅する、構成員全員を巻き込んだ変革のための協調的アプローチを策定すべきだと述べている。

 「戦略は実行しなければ実現しない」と同氏は言う。「PowerPointのスライドをいくら積み重ねても、スタッフを巻き込まない限り何も実現できない。会社が目指している改善の規模にかかわらず、スタッフが変化に関わることを許し、変化を実現するツールにアクセスできるような環境を整える必要がある」

 Burnett氏が率いるIT部門は、数百万ドル規模の予算をかけた変革プログラムから、同社のウェブプラットフォームを2カ月ごとに小規模にアップデートすることまで、さまざまな取り組みを主導している。同氏は、成果を上げるためには、さまざまなタイプの変革プログラムを組み合わせた総合的なアプローチが求められると述べている。

 「あらゆるものをひとつにまとめることが重要だ」とBurnett氏は言う。「私は幸運にも、ITの仕事としてエンタープライズアーキテクチャに関するキャリアを経験していたため、変化のための結束と連携をもたらす力として、アーキテクチャを重視するアプローチを構築した」

2.柔軟性を持ちながら、方向性を確認する

 英国の国立血液サービス(NHSBT)で最高デジタル責任者(CDO)を務めるAaron Powell氏は、この2年間、英国内の臓器配分と血液輸送の効率を改善するためのデジタル変革戦略を策定してきた。Powell氏の役職は最高経営責任者の直属であり、役員会にも出席している。

 同氏は「戦略とは明確なビジョンを持つことであり、自らがどこに向かっているかを知ることだ」と述べ、変革のビジョンをほかの部門に理解してもらう方法について語った。Powell氏は2015年7月にCDOに着任して以来、クラウドやアナリティクス、自動化を組み合わせることで、NHSBTのプロセスを改善してきた。

 その変革の過程で進歩が見えたことで、明確な目的を持つことのメリットが証明されたという。ただしPowell氏は、実行段階で優れた成果を出すためには、より多くの役員に柔軟性を組み込んだ戦略の必要性を理解してもらう必要があると考えている。

 「小さく始めてペースを上げていき、前進するつれて加速していく必要がある」とPowell氏は言う。「ひとつステップを踏むごとに方向性が正しいことを示す必要があるのと同時に、必要に応じて、途中で方向性を修正すべき場合もあることを理解しておかなくてならない」

最終更新:1/17(水) 16:40
ZDNet Japan