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ソニー「aibo」が12年ぶり復活 激戦ロボット市場でシェア獲得なるか

1/12(金) 7:15配信

SankeiBiz

 ■少子高齢化受け激戦

 ソニーは11日、人工知能(AI)を搭載した新しい犬型ロボット「aibo(アイボ)」を発売した。業績不振のため2006年に旧製品「AIBO」の生産を終了して以来、12年ぶりの復活になる。少子高齢化を背景に介護現場などで成長が見込まれるコミュニケーションロボット市場でのシェア獲得を狙う。

 ◆「家族が増えた」

 犬の鳴き声にちなみ、発売日を戌年の1(ワン)月11(ワンワン)日に合わせた。この日午前11時1分から東京都港区のソニー本社で発売記念イベントが行われ、約30人の購入者が来場。開発責任者の川西泉執行役員からアイボを一人一人手渡されると、「家族が増えてうれしい」「感無量です」と早速、アイボを抱きかかえた。大阪市の会社員、中村泰之さん(46)は「復活を待っていた。きょう新幹線で来たのでヒカリという愛称にしたい」と満面の笑みだった。

 新型アイボは、旧型に比べ丸みを持たせたデザインで本物の犬に近づけた。AIや多彩なセンサーを搭載し、インターネット常時接続によりクラウド(ネット上のサーバー)に集約された各種情報によって、“飼い主”(ユーザー)の嗜好(しこう)に合わせて成長する仕組み。能動的に飼い主に近付いたり鳴き声で感情を表現したりして、まるでペットのように振る舞うのが特徴だ。

 ソニーは昨年末に計3回のネット予約販売を実施した。価格は19万8000円。3年間のプランに加入する必要があり一括払いで9万円(いずれも税別)だが、予約販売は全て40分以内に受け付けを終了しており「滑り出しは順調」(川西氏)という。

 ◆20年度87億円市場

 アイボなどに代表される「コミュニケーションロボット」の市場規模について、調査会社の矢野経済研究所は14年度の約8億5000万円から、20年度にほぼ10倍の約87億4000万円へと急拡大すると予測する。少子高齢化が進む中、ロボットが高齢者の孤独感を癒やしたり、日常生活をサポートしたり、介護現場をはじめとするさまざまな場面で活躍すると見込まれるためだ。

 このため、この分野には接客をこなすソフトバンクの人型ロボット「ペッパー」をはじめ、シャープの人型ロボット携帯電話「ロボホン」、富士通のAI搭載ロボット「ユニボ」など製品投入の動きが相次いでいる。

 ソニーが先鞭(せんべん)をつけた旧型アイボは当時、社会現象になるほどの一大ブームを巻き起こしたが、エレクトロニクス事業の不振など厳しい経営状況から生産が打ち切られた。その後、ソニーの業績は回復を遂げ、18年3月期の連結営業利益は6300億円と20年ぶりの過去最高益を見込んでおり、アイボ復活はまさにソニーの復活と重なる。

 平井一夫社長は9日、米家電見本市「CES」の会場で、アイボを「日本のみならず、海外でも展開したい」と意欲を示しており、今後、各社の競争が激化するコミュニケーションロボット市場でアイボがどんな存在感をみせるのか、ソニーの成長軌道を占う一つの試金石となりそうだ。(柳原一哉)

最終更新:1/12(金) 7:15
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