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北朝鮮の平昌五輪参加を米メディアはどう報じたか。狙いの裏読みも。

1/11(木) 6:30配信

THE PAGE

韓国と北朝鮮のトップ級官僚による会談により、平昌五輪へ北朝鮮代表団が派遣されることが決まり、IOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長も「世界各地の多くの政府が賞賛する韓国と北朝鮮政府の共同提案を温かく歓迎します。これは五輪精神にとって大きな前進」と声明を発表した。さっそくIOCの公式サイトでは、1月20日にスイスの本部で具体的な参加内容を決める4者会談が行われることが報じられた。

北朝鮮は、選手団に加え、応援団やメディア関係者など総勢400から500人を派遣する考えだという。

 今回の北朝鮮の平昌五輪参加は、南北の軍事的緊張の緩和にもつながるのではないか、と期待されているが、トランプ大統領が「会話の用意がある」と北朝鮮との対話路線を打ち出す一方で、その核開発については強硬路線を崩さないなど、対北外交のポイントを握るアメリカでは、どのように受け止められたのか。
 さっそく各メディアが、この北朝鮮の五輪参加について報じた。

 ニューヨーク・タイムズ紙は「北朝鮮が五輪で平和を築く」との好意的見出しで伝えた。

 北朝鮮のフィギュアスケートのペア、リョム・テオク(18)、キム・ジュシク(25)のペアに焦点を当て、「北朝鮮のリョム・テオク、キム・ジュシク組は、韓国で開かれる2018年冬季五輪でメダル獲得は期待されていない。だが、このペアを含めた数少ない北朝鮮の選手たちは来月の大会で重要な存在となるかもしれない。北朝鮮の五輪参加は、朝鮮半島を分断する政治や核兵器からの緊張を和らげてくれる機会となる」と伝えた。

 これまでの冬季五輪での獲得メダル数が、わずか2個の北朝鮮にあって、フィギュアのペアに出場する2人が同国が誇る唯一の世界的選手だ、と伝えている。北朝鮮ペアは、昨年2月に日本で開催された冬季アジア大会で銅メダルを獲得。世界選手権では15位に入っていて、昨秋ドイツで開催された五輪最終予選を兼ねたネーベルホルン杯で五輪出場権を得ていた。

 ウォールストリート・ジャーナル紙も、「北朝鮮は冬季五輪へ来るが、誰が参加するだろうか」という記事の中で、すでに登録の締め切りが終わっている競技が多い中で、このフィギュアペアのリョム・テオク、キム・ジュシク組の参加の是非についてクローズアップしていた。


 一方、CNNは、「北朝鮮と韓国が軍事緊張を和らげるための話し合いに合意」という記事の中で、北朝鮮が平昌五輪に一団を送ることにも触れ、朝鮮半島未来フォーラムの客員フェローであるデュオン・キム氏のインタビューを紹介。キム氏は、「平壌側が五輪に参加する見返りに多くの譲歩を引き出そうとしているかもしれない。こっそりと渡すか、事前に。韓国は過去、ある程度の金額を支払わなければならなかった。北朝鮮の参加にはいつも値札がついてくる」という見解を示した。

 
 またビジネス・インサイダーは「北朝鮮は五輪に人気の応援団を送り込む、国が何カ月も秘密裏に準備していたことを示唆している」という記事を掲載。

「北朝鮮が韓国の平昌五輪へ人気の女性による応援団を含む使節団を送るが、北朝鮮に関する専門家は、『これだけのグループを韓国に送る準備には数カ月を要するはず』と語っている。これは、北朝鮮がミサイルの発射実験を終えるまで(動くことを)待ち続けていたことを示唆しているかもしれない。交渉で強い立場に臨めるからだ」との論調で、平昌五輪の裏にある狙いを深読みしている。

 1月20日にIOCで行われる会談で北朝鮮の平昌五輪参加に関する詳細が決まる予定だが、まだまだ予断を許さない状況であることは間違いなさそうだ。

最終更新:1/11(木) 6:30
THE PAGE