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放棄地対策にタマネギ JA茨城むつみ

1/11(木) 5:00配信

茨城新聞クロスアイ

JA茨城むつみ(岩瀬治三郎組合長、組合員7716人)が本年度から、本格的にタマネギの生産を始めた。安定収入のほか、将来的な耕作放棄地対策が狙い。初年度は19人が約6ヘクタールで取り組み、少なくとも6トンの収穫を目指す。同JAは10年後までに、100ヘクタールまで耕作地を広げる目標を掲げており、多くの組合員を呼び込むため「最初の1、2年が勝負」と意気込む。

昨年12月下旬、冷たい風が吹く中、坂東市生子、青木達也さん(35)らが苗植えを行っていた。ポッドに入った約8センチの苗を、同JAが導入した移植機を使って次々と畝に植え付けた。栽培するのは、組合員の中で最大の約1ヘクタール。苗植えまでは日照不足に悩まされたが、「今年は勉強。経験を積んで良いものを作り、生産する人を広げたい」と青木さんは意欲を燃やす。

国内のタマネギ産地は北海道や佐賀県、兵庫県の淡路島など。県内ではJAやさと(石岡市)やJA北つくば(筑西市)が先行する。JAむつみ管内ではレタスやキャベツが盛んだったが、今秋から、古河市の一部を除く管内で、肥大性があり加工しやすい品種を扱う。今後は状況に応じて追肥や除草をしながら、5~6月の収穫に備える。

■水稲と交互に
同JAによると、タマネギは病害や連作障害が少ない上、多くの作業が機械化でき、省力化がメリット。国内外で加工用の需要が増しており、安定収入と将来の収益増が見込める。

同JAが最も期待するのは、高齢化による耕作放棄地対策だ。組合員の8割が70~80代の稲作農家でその多くは後継者がいないという。これらの組合員がリタイアした後、使える水田が耕作放棄地になることを危惧している。

このため、同JAは水田を活用してタマネギを生産する構想を持つ。成果が上がれば、タマネギ生産に適した土壌にするための土地改良も検討する。将来的には農業生産法人を設立し、年間でタマネギと水稲の生産を交互に行う方針だ。

■「今が正念場」
ただ現時点で二の足を踏む組合員は多い。「本当に割に合う、安定した収入が得られるのか」といぶかしむ声がある。

生産を軌道に乗せるには、ここ数年でどれだけ実績を上げられるかが鍵。同JAは「今が正念場」と職員が頻繁に現場を回り、手厚い支援に力を注ぐ。2~3年をめどに、生産課題を洗い出し改善を図っていく。当面は買取価格が一定の全農いばらきに全量出荷し、確実な収益を得る。徐々に販路を拡大して収益増につなげる考えだ。

岩瀬組合長は「やり方さえ確立できれば、大きな生産地にもなれる」と期待し、「ゆくゆくは一大産地にしたい」と望む。 (溝口正則)

茨城新聞社