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AVラックのような4K HDRプロジェクタ。ソニー「LSPX-A1」が格好良くて音もイイ!

1/11(木) 8:00配信

Impress Watch

 ソニーは今年も大画面系の新ネタが豊作だ。日本の大画面機器メーカーである東芝やシャープがCES会場から撤退してしまったなかで、果敢にアメリカの砂漠の地から大画面ネタを提供してくれるのは、大画面☆マニアからすると頼もしい限り。

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 近年、年初の連載は、ソニーかパナソニックのCESがらみの大画面ネタになりつつあるが、今年もまたしかり。ネタは豊作なのだが、まずはソニー最新プロジェクタの話題から見ていこう。

■AVラックのような超短焦点4K HDRプロジェクタ「LSPX-A1」

 いまやプロジェクタの新ネタを出してくれる企業自体が減ってきたので、今回のCES 2018で新プロジェクタ「LSPX-A1」が発表された事は嬉しい限り。昨年のCES 2017でコンセプトモデルとして展示された「It's all here」の量産製品版という位置付けになる。

 種類としては、超短焦点投射型プロジェクタ製品に分類されるが、データプロジェクタのような無骨な出で立ちではなく、その外観はどこからみてもスタイリッシュなAVラック。しかも、その外形を構成している材質の質感が良好で、見た目だけでなく手触り感まで高級感が漂っていてうっとりさせられる。

 「神は細部に宿る。美は細部に宿る」などといわれるが、LSPX-A1を深く観察すると、天板は人工大理石を配しており、高級システムキッチンのよう(笑)。下段のラック部分はダークブラウンの分厚い木版で、前面左右には鏡面加工された金属製の支柱がホディ全体を支えている。この支柱に目を移せば、その上部は淡い暖色を染み入らせた円柱状のガラスになっている。

 「金属支柱に円柱ガラスをアクセントに使うなんてなんておしゃれな!」と聞くと、「その円柱ガラスは実はツイータースピーカーとしての振動板になっていまして、ほら、触るとブルブルと振動しているでしょ」という追い打ちを喰らうはめに。デザインのためにそうしているのではなく、そのデザイン美は機能美でもあったというわけである。恐れいった。

 プロジェクタ部は、わずか約24cm程度の当社距離で4K解像度の120インチ大画面を投射できる性能を持つ。壁に寄せて設置した見た目は「オーディオラックそのもの」なのだが、その天板からは100インチオーバーの4K大画面を投射されるのだ。

 プロジェクションエンジン部は、反射型液晶デバイスの「SXRD」、光源システムはレーザー光源を採用する。輝度スペックは2,500ルーメンと絶大に明るい。HDR映像表示に対応し、HDMIも18Gbps信号入力に対応する。

 そう、実のところ、LSPX-A1のプロジェクターエンジン部は2017年に日本でも発売された超短焦点4Kホームシアター「VPL-VZ1000」そのものだ。VPL-VZ1000もCES 2017のデビュー当時も「これは欲しい!」と記事タイトルに盛り込んでしまったが、あの時の興奮が再び1年後の自分に舞い戻るとは思わなかった。

 ブースでは、専用の密閉空間での試聴室が設けられており、ソニー側のプレゼンターの解説に導かれて音楽ライブや映画コンテンツを視聴できるようになっていたが、投射映像の品質はVPL-VZ1000そのものという印象で不満はなし。

 サウンドもかなり上質。そう、実はこのLSPX-A1は、スピーカー内蔵プロジェクタなのだ。

 「スピーカー内蔵プロジェクタ」のスピーカーは「とりあえず音が鳴るレベル」のものが多いが、LSPX-A1には、単体オーディオ製品レベルの音響性能が与えられている。

 ミッドレンジスピーカーはフロント正面左右に1個ずつ合計2個、そして背面側にも一個、打ち上げ方向にレイアウトされている。これは一度画面(壁)側に反射させて、画面中央から上に音像を定位させる狙いがあるようだ。合計3基のミッドレンジスピーカーのそれぞれの出力は23Wになる。

 さらに、左右に前出した円柱ガラス振動板のツイーターが実装される。この円柱ガラス振動板のツイーターは「Organic Glass Tube Tweeter」という名称が付いており、垂直(上下)方向に振動するアクチュエーター(リニアモーター)で円柱ガラス振動板を動かし、高音域を360度方向に拡散させている。

 重低音は、ボディとなるラック部の中央下側に設置される出力50Wのサブウーファユニットが担当。LSPX-A1はかなり大出力のサブウーファまでをも搭載しているのである。

 注意深く聞くと、スクリーン正面に相対する領域から大きくずれると、ややバランスが崩れる感じもあったが、リビングルームで画面の前で楽しむ想定のもとでは、全く不満なし。それどころか、かなり上質な音質であった。一般的なサウンドバー製品と同等か、それ以上の音響性能はあると思う。

 入力端子はHDCP2.2対応のHDMI端子が3系統で、本体奥中央の支柱の右側面にレイアウトされている。カバーを外すと接続端子パネルが現れ、一度接続したらカバーで隠せるようにデザインされている。

 さて、ここまでかなり絶賛模様のLSPX-A1だが、ひとつ気になる点にも言及しておきたい。

 せっかく一般的なサウンドバー製品を上回る音響性能を持ちながらも、HDMI入力されたDolbyやDTSなどのサラウンドサウンドをデコードした、バーチャルサラウンド再生に対応していないというのだ。

 日本円にして300万円超の高級品なので、せめてサラウンドサウンドのデコーダーを搭載し、バーチャル5.1ch/7.1chの再生には対応して欲しかった。これだけ贅沢なサウンドを持ちながら、ステレオにミックスダウンした信号を2.1chで再生するだけなのはもったいない。

 ソニーとしては「本格的なホームシアターシステムを構築したいユーザーは、VPL-VZ1000を選択して欲しい」という考え方のようだ。

 逆に言えば、それ以外は気になる部分がない、価格は高いが満足度も高そうな製品だ。日本での発売日は未定とのことだが、昨年のVPL-VZ1000も日本で発売されたので、期待はできそうだ。登場が待ち遠しい製品である。

■ソニー'18年有機ELテレビ「BRAVIA A8」は、'17年の「A1」と何が違う?

 ソニーブースの2つ目の大画面ネタは、有機ELテレビだ。

 ソニーは、LGパネルを活用して独自の映像エンジンを組み合わせ、有機ELパネル事態をスピーカーの振動板にして音を鳴らす「Acoustic Surface」機能を搭載し、フォトフレームのような「石板ついたて」スタイルのフォームファクターを採用して、センセーショナルにデビューさせた「BRAVIA A1」シリーズを2017年に発売したが、2018年はこのモデルの後継として「A8」シリーズを発表したのだ。

 ただ、この「A8」、スペック表で見ると、機能面については「A1」と全く同一なのだ。

 映像エンジン世代もおなじ、Acoustic Surfaceの音響機能も同じで、メーカーの想定価格も同一。

 「A1」は2018年も引き続き併売していく戦略を取るとのことなので、実勢価格的にはA1の方が安価となるはずだが、ソニー的には「後継」とか「上下モデル」のブランディングは使いたくない雰囲気だ。

 ブースで開発関係者に話を伺ったところ、「両者における最大の違い」は、フォームファクタ(形状)とのことだ。

 ソニーの新提案としてフォトフレーム的な出で立ちでA1をデザインしたが、ユーザーやインストーラーから「表示画面が垂直に対して5度ほど傾いていること」「壁掛け設置をやると、フォトフレーム的なスタンド部を折りたたんでも奥行き(厚み)があるために、壁から突き出てしまう」といった不満が寄せられたそうだ。

 こうした声を受けて開発したのが「A8」シリーズなのだそうである。

 A8シリーズには77型がないが、77型のA1の台数があまり出ていないためとのこと。

 では「外形の違い」以外にA1とA8で差は何か。実は、画質も最新のA8では強化されている。

 映像プロセッサ(SoC)のチップ世代は全く同じなのだが、映像処理の部分で、A1リリース後に開発した新処理系が追加されており、その部分で「A8よりA1の方が画質面で優れる」と言うことになるそうだ。

 では具体的にどんな改良が行なわれたのか、と聞くと「細かい部分になり、ファームウェアアップデートで対応できるレベルの違い」という。

 具体例としては「色階調補正の処理系で人間の視覚上で明るく感じやすくなるような手心を加えている」とか「一部の映画コンテンツなどの悪条件シーンで発覚したアーティファクトを改善する」といった事例が挙げられた。

 それでは「A1シリーズにそうした知見をファームウェアアップデートで反映してA8同等にできるのか」という部分が気になるのだが、この点については「未定」。「肯定も否定もしない」というスタンスであった。

■4K液晶にも2018年モデル「X90F」。日本ではX9000Fとしてデビュー?

 ソニーブースの大画面ネタの3つ目は4K液晶テレビについて。

 4K液晶ブラビアの2018年モデルとしては、北米地区向けには「X90F」シリーズが発表された。日本ではX9000Fシリーズとしてデビューするかもしれない?

 北米地区でのメーカー想定価格は49型が1,000ドル前後、55型が1,500ドル前後、65型が2,500ドル前後、75型が3,500ドル前後、85型が6,000ドル前後と,「ソニーの新製品」としてみればかなり意欲的な価格設定がされている。

 北米地区では現在、大画面テレビの基準が「65型がスタートライン」のような風潮が強くなっているそうで、BRAVIAに80型以上が望まれたことから、2018年モデルは85型も設定したという。日本モデルに85型がラインナップされるかどうかは決めかねているそうだが、85型の4Kブラビアが60万円台で購入できるとなれば、なかなかのホットトピック。日本でもラインナップして欲しいところだ。

 さて、従来の4K液晶BRAVIAモデルに対して、画質面で何が違うかについてだが、今回ソニーが筆頭にあげているのが「X-Motion Clarity」と呼ばれる動画ボケ低減技術になる。

 X90Fシリーズの映像エンジンは、Z9Dシリーズや9500Eシリーズに搭載されていた映像エンジンと同じ「X1 Extreme」を採用しているが、「X-Motion Clarity」は、このSoCのポテンシャル内でできる範囲内での新機能と言うことになる。

 映像内の動体に対して、液晶特有のホールドボケを低減する技術なのだが、この「X-Motion Clarity」の機能詳細は、次の記事で新映像プロセッサ「X1 Ultimate」とともに解説したい。

AV Watch,トライゼット西川善司

最終更新:1/11(木) 8:00
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