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【飛翔2018】選抜連続出場へ 静岡高野球部・栗林俊輔監督(45)

1/11(木) 7:55配信

産経新聞

 ■選手を信頼 自立心引き出す

 昨年秋の秋季東海地区高校野球大会で優勝を果たし、17度目の選抜高校野球大会出場を有力にした静岡高。一昨年の秋季大会も制し、昨年春の選抜大会にチームを導いた名将は「われわれは選ばれる側の立場。選んでいただけたらうれしい」と言葉を選びながらも、「昨年秋の勢いを、このまま今年にもつなげていきたい」と連続での選抜大会出場に向け、静かに闘志を燃やしている。

 監督就任後の9年でチームを春夏5回の甲子園出場に導き、名門復活の礎を築いたが、就任当初は思うような成績が残せず、苦悩する日々が続いたと振り返る。

 就任2年目の成績は春夏秋全ての県大会で初戦負けという惨憺(さんたん)たるものだった。特に夏は常葉大橘に七回コールド負けを許すなど、歴史的な大敗を喫し、翌年、わらにもすがる思いで高校野球の名門校で監督を務める大学の1年先輩のもとを訪ねた。

 この先輩からのアドバイスは「結果は後からついてくる。まずは選手を大事にしなさい」というもの。当時の心境を「自分としてはとにかく勝ちたくて仕方がなかった」と振り返るように、勝利にこだわり過ぎるあまり、選手の存在が二の次になっていたことに気づかされたという。

 選手一人一人を丁寧に観察するようにした結果、「高校生にはいい日と悪い日の差がある」ことにも気づいた。それ以来、「ミスをしてもへこたれない」「自分たちのできることをやれ」と選手たちの心の動きに配慮したきめ細やかな指導を行うことを心掛けている。

 練習も特に斬新なトレーニングを行っているわけではない。「勝負の八割は準備の段階で決まる。試合という本番で自分の持っているものを出せば結果は自ずとついてくる」というのが持論で、基本に忠実な練習を繰り返している。

 ただ、その中で大事にしていることが、練習に向かう意識だ。練習中、選手たちには「何をするのかより、どうやるかが大事」という言葉を何度も投げ掛ける。ただがむしゃらに体を鍛えるのではなく、この練習によって何をどう改善しようとしているのかを理解しながらトレーニングをすることで、自ら学び向上する姿勢を養ってもらいたいと願うからだ。

 究極の目標は、「選手から『監督はもういらない』と言われるくらい自立したチームを作ること」。チームをさらなる高みに引き上げることを目指し、選手への信頼を胸に日々ノックバットを振るう。 (島田清) =おわり

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【プロフィル】栗林俊輔

 くりばやし・しゅんすけ 1972年、磐田市生まれ。磐田南高時代のポジションは捕手。筑波大卒業後、保健体育の教員として清水南高に赴任。その後、磐田北高、浜松工高を経て2008年に静岡高へ。磐田北高以降は野球部監督を務め、静岡高で春2回、夏3回の甲子園出場経験を持つ。

最終更新:1/11(木) 7:55
産経新聞