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「シャンシャン特需」に沸く鉄道会社、でも「最強のパンダ使い」はJR西日本

1/11(木) 14:33配信

ねとらぼ

 恩賜上野動物園で誕生したパンダ「シャンシャン」が大人気。1日の閲覧時間は2時間半で、30分ごとの枠に80組が閲覧可能。合計400組で1組最大5人。つまり1日に最大2000人しか「シャンシャン」と、ママの「シンシン」に会えません。1月2日から8日までの申し込み組数は15万2768件に達したそうです。競争率はなんと35倍! でも、2頭が慣れてきたことで、1月23日からは閲覧時間が2時間延びた4時間半になります。これで720組で1日最大3600人。競争率が少し下がりそうですね。

【写真16枚:地下鉄上野駅には“超~悲しい顔”のパンダPepperくんも】

 ちなみに、JR東海が開催するリニアモーターカー「超電導リニア体験乗車」の申し込み倍率は、2014年が約125倍でした。でも回数を重ねて2017年は20倍以下になり、10倍以下のシーズンもあったそうです。パンダを見られなかったらリニアはいかがですか。リニアは速いですよ。座ったまま体験できますよ。2月16日まで受け付けている「平成30年第1回体験乗車」は今がチャンスかも!

 高額にもかかわらず高倍率なJR九州のクルーズトレイン「ななつ星in九州」は、2018年春・夏出発分の最高倍率が42倍。これは3泊4日コースの展望客室です。平均倍率は12倍ですので、こちらもパンダより当たりやすそう。問題はパンダの何倍も費用がかかることですね。

 ……と、無理矢理に鉄道ネタに持っていけたところで、今回はパンダブームにあやかる鉄道を探っていきましょう。

 上野動物園の最寄り駅は上野駅。ここに乗り入れる鉄道会社はJR東日本、京成電鉄、東京都交通局、東京メトロです。さて、どんなふうにパンダと絡んでいるでしょうか。

●JR東日本:駅ナカにパンダアイテムがいっぱい

 JR東日本はエキナカの店舗施策に力を入れています。シャンシャンが生まれる前から、上野駅の「エキュート上野」はパンダグッズが充実していました。そんなエキュート上野がシャンシャンの一般公開でさらに盛り上がっています。2017年12月1日から2018年1月31日まで「パンダフルウインターキャンペーン」を開催中。オリジナルマスコット「うえきゅん」もがんばっており、パンダのアイテムを増量しています。

 ピンク色の「ハッピー☆パンダ」、ドーナツや大小8つのパンダ顔を載せた「親子パンダタルト」などのスイーツ、パンダ顔のごはんの下に鶏そぼろを敷いた「パンダ弁当」、パンダ型の海苔を載せた「チキン南パンダ弁当」などお食事系、キーホルダーやランチボックスなどのうえきゅんグッズもあります。なお、シャンシャン公開日はオリジナルステッカーやオリジナルマカロン(先着200個)の配布も。シャンシャンに会えなくても公開日はチェックしておきましょう。

●京成電鉄:ゆるキャラ「京成パンダ」は神出鬼没!?

 上野駅が起点の京成電鉄は、恩賜上野動物園ともっとも縁の深い鉄道会社です。なにしろ路線開通時の1933年から1997年まで「博物館動物園駅」を営業していました。上野動物園や国立博物館の最寄り駅で、正式な廃止は2004年でした。2018年現在も地下の線路にはプラットホームの跡があり、地上の駅舎は地下トンネルの非常口となっています。

 その京成電鉄にパンダのゆるキャラ「京成パンダ」がいます。2007年から活動しているからシャンシャンよりもずっと先輩。誕生のきっかけはIC乗車券「PASMO」でした。京成電鉄関連のクレジットカード会社「京成カード」が、PASMOと連動したクレジットカードを発行するときに、宣伝役として起用されました。クレジットカードの裏面にも描かれています。

 京成電鉄によると、京成パンダは「P-78星雲に浮かぶパンダ星を治めるパンダ王家の王子」で工学博士。「動物園で飼育係をしており、千葉県・公津の杜のマンションでひとり暮らしをしている。好物はゆで落花生」とのこと。個性的な流し目が特長で、家系図によるとこの表情は遺伝らしいです。

 2018年現在、京成パンダは京成カードだけにとらわれず幅広い活動を行っています。2017年12月19日から京成電鉄と京成不動産が「シャンシャン」の一般公開を記念してお祝い企画を実施中。パンダ柄の京成電鉄都内エリア一日乗車券を発行するほか、京成上野駅はシャンシャン誕生記念の飾り付けを実施。12月下旬からは京成電鉄のラッピングトレインになり、京成電鉄だけではなく、都営地下鉄浅草線や京急電鉄にも顔を出します。

 京成電鉄と言えば成田空港までスカイライナーで最速41分。スカイライナーに乗って、成田空港から中国に飛んで、本場のバンダを見にも行けますね。

●東京メトロ:個性的な顔だと評判のパンダ顔ロボットが

 東京メトロ銀座線にも上野駅があります。そもそも銀座線の最初の開業区間は上野~浅草間でした。日本で最初の地下鉄です。その地下鉄上野駅にもパンダがいます。正確には、パンダの顔をしたPepperくんです。登場は2016年の12月1日。当初は2017年の3月31日までの予定でしたが、2017年12月下旬にも目撃しました。シャンシャン効果でしょう。

 パンダ顔Pepperくんは外国人観光客に対応するため、上野公園方面改札口付近に立っています。勤務時間は10時~17時。日本語、英語、中国語、韓国語、スペイン語、フランス語に対応し、動物園などの駅周辺案内、浅草や成田空港などの行き先案内が仕事です。設置当初から「個性的だね」と評判になっていました。

 もともとPepperは優しい顔つきをしている上に、パンダ特有の目のまわりの黒はタレ目を連想します。2つの要素が合わさった結果、困っている表情に見えてしまうのかもしれません。困って助けてもらいたくても、もっと困っていそうでなんとやら。いや、一緒に困ってくれるのできっといいヤツです。

●東京都交通局:動物園のモノレールも「鉄道」ですよ

 東京都交通局は都営バスや都営地下鉄を運行しています。「あれ、上野に都営地下鉄は通っていないはずだよ」って? そうです。上野に都営地下鉄は来ていません。しかし「上野動物園のモノレール」は東京都交通局が運行しています。動物園のアトラクションではありません。国土交通省に届け出ている立派な鉄道路線です。鉄道事業法に則って運行しています。

 鉄道事業法では、他人の依頼に応じ、専用の線路を用いて輸送する事業を鉄道事業と定めています。上野動物園は東園と西園に別れていて、間に公道があります。上野動物園のモノレールは公道をまたいで走るために、園内の乗りものではなく、専用の線路を用いて輸送する事業となっているわけです。正式には「東京都交通局上野懸垂線」といいます。

 上野懸垂線は2017年12月17日に開業60周年を迎えました。そこで、生誕45周年のアニメ『パンダコパンダ』とタイアップしたイベントを開催しています。2017年12月28日から2018年1月14日まで、車内を『パンダコパンダ』のキャラクターで装飾するほか、1月13日には「パパンダ」がモノレール西園駅の1日駅長となって、握手会と撮影会が行われます。また、モノレールグッズの新作として、「上野動物園モノレール×シャンシャン ぬいぐるみキーホルダー」が発売されました。

●JR西日本:なんと、特急電車の顔をパンダに!

 このように、上野にゆかりのある鉄道会社はパンダにあやかったイベントをそろって実施中です。

 しかし、最強のパンダ使い(注:筆者比)というべき鉄道会社はこの中にはありません。もっともパンダに力を入れている鉄道会社は……。お待たせしました。JR西日本です!

 なぜJR西日本がパンダとコラボするか。その理由は、和歌山県の白浜町にあるアドベンチャーワールド。パンダファンにはおなじみのテーマパークです。

 同園は1988年からパンダの飼育と繁殖を試み、16頭の繁殖実績があります。2018年現在も5頭を飼育中です。日本最大数のパンダ施設は上野動物園ではなく、アドベンチャーワールドです。

 アドベンチャーワールドの最寄り駅である白浜と、京都・大阪を結ぶ列車がJR西日本の特急「くろしお」です。JR西日本は「くろしお」用特急電車287系のうち1編成を改造しました。先頭車前面にパンダの顔、車体側面にはアドベンチャーワールドの動物たちが描かれました。客室もパンダ柄のヘッドレストが用意されています。

 アドベンチャーワールドは日本最大のパンダ飼育設備を持ち、母と子が一緒にいる時間をできるだけ多くするという独自の飼育方法で育て、繁殖させました。JR西日本はパンダを最大限に活用した列車を作りました。車体も車内もパンダづくし。これが2018年1月現在、筆者比最強のパンダコラボ鉄道と言えます。

(杉山淳一)

最終更新:1/11(木) 17:38
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