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暗渠散歩、じわり人気=「街の見え方変わる」―関連書籍、次々出版

1/11(木) 14:14配信

時事通信

 川や用水路に覆いをし、見えないようにした「暗渠(あんきょ)」。

 今は道路になってしまった川の跡などを探して街を歩く「暗渠散歩」が、静かな広がりを見せている。普段の生活では気付かない暗渠をたどることで、「街の見え方」そのものが変わるのが魅力だ。最近の街歩きブームと相まって、関連書籍も次々と出版されている。

 昨年12月、東京都内。共著「暗渠マニアック!」を2015年に出版した高山英男さん(53)、吉村生さん=ペンネーム=のコンビに案内され、都内を流れていた谷田川(藍染川)の跡をたどった。出発地は水源の池があったとされる染井霊園(豊島区)。暗渠特有の曲がりくねった道を、約5キロにわたって歩く。

 暗渠を見つけるコツは、路上に残っている橋の欄干や車止めなど、川の痕跡を示す「不自然さ」を見逃さないこと。水と縁が深いクリーニング店や豆腐店なども暗渠沿いにあることが多い。

 「昔の風景を想像しながら歩くのが好き」(吉村さん)、「脇から流れる支流を見つけるのも楽しい」(高山さん)と楽しみ方はそれぞれ。この日は民家の庭先に新たな湧水を見つけたり、支流跡の狭い路地を見て回ったりしながら、ゴールの上野・不忍池の手前までたっぷり約3時間かけて歩いた。

 2人が暗渠に魅せられたのは、偶然にも同じ09年6月ごろ。互いのブログを通じてすぐに意気投合し、知り合った他の仲間たちと週末に暗渠巡りをしたり、トークイベントを開催したりするように。愛好者も少しずつ増えていった。

 暗渠の魅力を「誰からもありがたがられない存在だけど、プライドは捨てていない」と説き、「誰もが心に暗渠を抱えている」と語る高山さん。女性の吉村さんは「妹みたいなもの。よりよく知って、より好きになる」。

 アプローチは異なるが、暗渠への愛情は変わらない。普段と違う視点で、いつもの道を歩いてみると、思わぬ発見があるかもしれない。 

最終更新:1/11(木) 14:14
時事通信