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次世代移動機、安全性に課題

1/11(木) 7:55配信

産経新聞

 電動一輪車は「セグウェイ」などの電動二輪車とともに、自動車などよりも手軽な“次世代モビリティー(移動機器)”として多様な場面での利用拡大が見込まれている。中国を筆頭に市場規模は拡大を続けているが、日本国内では安全面に課題があることなどから現時点では公道での利用が禁止されており、規制緩和を求める関係者もいる。

 神奈川県警交通捜査課によると、電動一輪車や電動二輪車にはテールランプやバックミラーなどがなく、車などと比較して安全対策のための装置が不足していることから、道交法に基づき原則として公道での利用が禁止されている。過去には警視庁が、セグウェイを公道で利用したとする同法違反容疑で、セグウェイ輸入代行会社の男性社長を書類送検した事例もある。

 捜査関係者は「電動一輪車自体の知名度はまだまだ低いが、実際に運転してみると操縦はかなり難しい。今回の摘発には公道での利用禁止や、未熟な運転の危険性を周知する意味合いもある」と話す。

 マーケット調査会社「富士キメラ総研」(東京都中央区)が平成27年に行った調査によると、26年の世界での電動一輪車の市場規模は17万台(約65億円)で、42年には800万台(約3200億円)に拡大すると見込まれている。日本国内でも増加傾向が続いており、今後の法改正が市場発展の鍵となるという。

 電動一輪車の開発や普及活動を行うベンチャー企業「シムスインターナショナル」(滋賀県豊郷町)の森田修栄社長(46)は「テレビなどで紹介され、電動一輪車への社会的注目は高まっていると感じる。試乗会などを開催しているが、『公道で乗りたい』という意見が圧倒的に多い。しかし公道での利用が禁じられているため、実際の購入には二の足を踏む人が多いのが実情だ」と話す。その上で「次世代産業育成のためにも、より規制の柔軟な欧米などにならい、日本も規制緩和を検討してほしい」と訴えた。

 また、ある電動一輪車の輸入代理店は、販売する際に顧客に「公道での使用は違法」と何度も説明しているという。ただ、担当者は「どうしても通勤などに使う人は出てしまう。こうした摘発で利用者のマナーが改善され、社会的理解が得られることで、ルール改正に向けた機運が高まってくれれば」と期待を込めた。

最終更新:1/11(木) 7:55
産経新聞