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「ハードウェア+テック」で最先端を走るイノベーション都市「深セン」の魅力を探る

1/11(木) 17:20配信

投信1

“歴史上最速で成長した”といわれるほどの街は香港でも北京でもなかった

中国に「歴史上最速で成長した街」と称されることもある都市があります。それが、深セン(深圳)です。中国南東部、香港に隣接するこの都市は、以前は人口約3万人の漁村にすぎませんでした。それが1980年に中国政府によって経済特区に指定されて以降、飛躍的な成長を遂げているのです。現在の人口は約1,200万人。米国のシリコンバレーに匹敵する新たなイノベーション都市として世界の注目を集めています。

深センは漁村から港湾へ、そしてグローバル企業・製造業のOEM拠点へ、さらにはイノベーションハブへと急速に進化してきました。今や中国全土から一旗あげてやろうと息巻く人々が集まってきます。そうしたこともあってか、人口構成で見るとそのほとんどが労働人口で、お年寄りが少ないことも都市の特徴のひとつです※1
。また、公用語は北京語で、隣接する香港とも違う独特の立ち位置を築いています。また、深センは裕福な一面ものぞかせます。一人当たりGDPは中国主要都市で1位※2
、国際特許出願数も1位※3
。企業は113万社※4
もあり、単純計算ではなんと約10人に1人が社長という計算になります。シリコンバレーがそうだったように、自ら立ち上げた会社を売ってお金持ちになった人がベンチャーキャピタルを始めるといったエコシステムもできあがっています。※1 2015年。出所:深セン市統計局
※2 2015年。主要都市とは、一線都市(国際的な大型都市)および新一線都市(一線都市に次ぐ大都市)とされる19都市。出所:CEIC
※3 2016年。出所:中国国家知識産権局
※4 2015年。出所:深セン市統計局

深センには海外留学した若者が戻ってくる

ところで、中国人の富裕層の多くは子供を海外留学させます。こうした留学組はこれまで留学先で就職してしまい戻ってこないケースが多かったのですが、最近では学業を終えて中国に戻る人が増え、その帰国比率は78%(52万人)にものぼります※5
。なぜ戻ってくるのかといえば「母国に帰ってきた方がビジネスチャンスがあるから」だといいますから、実にしっかりしたものですが、サンフランシスコやニューヨークでの暮らしを経験してきた人に「同じような環境で働ける」といって選ばれやすいのが深センだというのです。

実際に「中国の未来」ともいわれる深センは、新たなイノベーションが浸透しています。街中を電気自動車が走り、どんなお店でも支払いはスマホでできます。タクシーやレンタサイクルもスマホがあれば簡単に予約できます。一人カラオケ機や美顔パック自動販売機など、新しいビジネスをテストする場所としても用いられているようです。

また、深センの大手企業のオフィスはおしゃれで、各国のフードコートがあったり、バスケットコートがあったり……いわゆる米国西海岸的な雰囲気を醸し出しているところも多くあるようです。

こうしたことでも優秀な人材を引きつけられるのが深センの強みの一つといえるでしょう。

※5 2015年。出所:中国統計年鑑

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最終更新:1/11(木) 17:20
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