ここから本文です

映画『伊藤くん A to E』が明日公開。池田エライザ「私は傷ついても勝負していきたい」

1/11(木) 7:01配信

ぴあ映画生活

2017年、3本の映画に出演し、それぞれで違う顔を見せ、女優としてのポテンシャルの高さを見せつけた池田エライザ。そんな彼女が「リア充女子を装いながらも、実は一度も人に愛されたことがない」という女性・聡子を演じた映画『伊藤くん A to E』。劇中では、親友が一途に思いを寄せる男性を“寝取る”、強烈なキャラを演じたが、池田自身はそんな聡子にどんな思いを抱いていたのだろうか。

池田エライザ/その他の写真

聡子が劇中してしまったことについて「池田エライザとしては“許す、許さない”という物差しではなく、ただただダサいことだなという思いですね。自分を傷つけることはやらない方がいいよって言いたい」と率直な意見を述べる。

しかし一方で、「聡子の感情って親友の(夏帆演じる)実希への劣等感や、男性にとられてしまうという寂しさから来ていると思うのですが、それすら理解できていない。だから自分で仕掛けておきながら傷ついてしまう。決して性格も悪くないし、幸せになれる要素はたくさんあるのに……と、もどかしく思う半面、とても人間らしくて可愛らしくもありました」と自身が演じた役柄に対して愛を持って接することができたという。

「女性って自分が知らない感情に気づいた時点で強くなれると思う」と語った池田。その“知らない自分”に気づかせてくれたのが、岡田将生演じる“伊藤くん”だ。彼は「絶対に人から傷つけられない」というポリシーのもと、頑なに人と勝負をしない。自身のエゴに正直に突き進み相手を振り回す、究極に“痛い男”だが、ある意味その立ち振る舞いはすがすがしい。

そんな伊藤に対して池田は「常に客観視し、相手との距離を詰めないで生きていくことはすごいと思う」と理解を示すが「私には無理ですね。傷ついても勝負をしていきたい。人って傷ついて学んで素敵になっていくものだと思うんです。傷つかないように生きていると、すごく視野が狭くなってしまい、気づけることにも気づけない。結果的に愛せるものも愛せなくなってしまう」と持論を展開する。

さらに「私も傷つきながらの日々です。常に評価される立場の仕事なので、その都度評価されて、それに対して喜んだり傷ついたり……。ただ、評価が一定になることほど寂しいことはないので、私は常に変わり続けて、いろいろな評価をされる立場でいたいと思います」と、女優だけではなくバラエティ番組や執筆業、さらにはSNSでの表現など、常に自身を開放し、勝負する姿勢は崩さない。

非常に強い生き方に感じられるが「もちろん傷つけられっぱなしで、それを自分で消化できず、周りにも救ってもらえる人がいない孤独な環境だったら、勝負はできないと思います。でも幸運なことに私には、マネージャーさんをはじめ、メンタルを支えてくれる素敵な人たちが周りにいるんです」と池田を取り巻く現在の環境に感謝する。

こうした周囲のサポートも池田の垣根を作らないコミュニケーション能力に起因しているのだろうが「私は芸能界にポイっと入ったとき、あまりにも自分の意思を相手に伝えるのが下手で、ずっと悩んでいたんです」とつぶやく。現在の池田からは想像できないような状況だが「小~中学生ぐらいまで、ほとんど友達と遊ぶということがなかったんです。高校生になって少しずつ友達と遊んだり、出かけたりするようになったのですが、本当に人に自分の意思を伝えるのが苦手だったんです」と告白する。

現在、自身の思いを多くの人に伝えようとするのは、当時の反動だという。「昔は他人の目というのがまったく気にならず、陰口を言われても、なんとも思わなかったんです。でもいまはいろいろなメディアで取り上げていただくようになり、例えばハーフという境遇だったり、見た目の部分だったりのイメージがつくと思うんです。そういった部分について“私はこういう人間なんですよ”と本当の自分の気持ちを伝えたいという思いがあります。より近いところで話ができたらと思っているんです」。

“現状にとどまらない”池田が、停滞し泥沼にはまっていく女性を演じた『伊藤くん A to E』。こんな視点で作品を見るのも面白いかもしれない。

『伊藤くん A to E』
1月12日(金) 全国ロードショー

取材・文:磯部正和
撮影:中村好伸

最終更新:1/11(木) 7:01
ぴあ映画生活