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全中優勝の西福岡、鶴我隆博の指導法(後編)「チームのごまかしは指導者のエゴ」

1/11(木) 17:10配信

バスケット・カウント

取材・写真=古後登志夫 構成=鈴木健一郎



昨年夏に沖縄県で開催された全中(全国中学校バスケットボール大会)を制した西福岡。鶴我隆博が監督を務めるようになったこの7年間で決勝に4回進出し、2回優勝している『最強の公立中学校』だ。鶴我はそれ以前にも百道中、姪浜中で全中に出場し、竹野明倫(西宮ストークスコーチ)や橋本竜馬(シーホース三河)といったタレントを育て上げている。昨年2冠の福岡第一で活躍した重冨周希と友希、今年のインターハイ優勝校である福岡大学附属大濠の永野聖汰、中田嵩基も西福岡での鶴我の教え子だ。その鶴我に選手育成の手法やポリシーを聞いた。

全中優勝の西福岡、鶴我隆博の指導法(前編)「苦しい時こそ顔を上げる選手に」

『笛吹けども踊らず』という選手はいません

──先ほど「大したことはやっていない」とおっしゃいましたが、指導する上で大事にしていることはありますか?

福岡のミニバスの指導者はクレイジーな人が多いですから、ダンク以外は何でもできるんです。30年前は夏休みにシュートの特訓をしたものですが、今は入学した時点でゴールを見なくても左手でパッとシュートを決める子がいますよ。入って来る時点でのレベルが全然違うんです。そこはミニバスの指導者のおかげです。あとは私が教えるより、一緒にやっている選手の影響力が大きいです。左手でシュートを打つ子がいれば、他の選手は見よう見まねですぐ覚えますから。

だから先ほど話したように『一人が一人をブチ抜く能力』、『一人がガツンと守る能力』を大切にしています。ウチもスクリーンプレーをやりますが、お膳立てしてもらってフリーにならないとシュートを打てないプレーヤーでは、中学段階ではダメだと。やっぱり1対1でブチ破る能力です。ディフェンスも同じで、ヘルプローテーションはやりますが、何が何でも目の前のこいつを守る、というプレーを徹底的に要求します。

──その積み重ねは技術だけでなくメンタルの強い選手を育てることになりそうですね。

これだけの人数がいると競争社会の縮図みたいなもので、仲良く手をつないでゴールするわけにはいきません。だから常にそういう競い合いから選手たちが精神的な強さを身に着けるというのはあります。逆に言うとそれを乗り越えないとやっていけない。みんな志を持って入ってきている以上、もっとうまくなりたい、もっと試合に出たい、もっと活躍したい、という気持ちを持っています。だから、やる気がなくて『笛吹けども踊らず』という選手はウチにはいません。

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