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<軽井沢バス事故2年>安全最優先 遺族の願い

1/12(金) 6:00配信

毎日新聞

 ◇「1・15サクラソウの会」再発防止願い、署名4万人集まる

 乗客・乗員15人が死亡した長野県軽井沢町のスキーツアーバス事故から、15日で2年を迎える。昨年6月、長野県警は事故を起こしたバス運行会社の社長と死亡した運転手ら3人を業務上過失致死傷容疑などで長野地検に書類送検した。遺族らでつくる「1・15サクラソウの会」は、真相解明のために社長らの起訴を求めると共に、再発防止を願い署名活動をしている。【安元久美子】

 「バス事故の遺族です。署名をお願いします」。昨年11月、相模原市内で、亡くなった東海大1年、池田衣里(えり)さん(当時19歳)の母親は通行人に声をかけていた。母親は「事故を風化させたくない。二度とこのような事故を起こしてほしくない」と語る。

 衣里さんは中学から大学までテニスを続けた。中学3年の時、足の靱帯(じんたい)を切る大けがをしたが、松葉づえ姿で部活に参加し、コート周辺の清掃やボール拾いを続けた。父親は「芯が強くて真面目な心優しい娘だった」と振り返る。将来の夢は体育教師になることだった。

 事故後、父親は衣里さんの写真を約40ページのアルバムにした。1ページ目の「頑張る!! そう決めた!!」は、衣里さんの言葉だ。幼い頃のあどけない姿やテニスの試合中の真剣な表情、大学の入学式のスーツ姿の写真を載せた。つらい気持ちがこみ上げるが、新しい写真を見つける度にページを増やしている。

 アルバムはリビングに置いている。父親は「直視することはできないが、一緒にいたい」と声を詰まらせた。国の事業用自動車事故調査委員会の報告書は事故原因について、運行会社が安全を軽視したと指摘した。父親は「事故責任を明確にすることで、国や業界が利益ではなく、安全を最優先に考えるようにしたい」と語る。

 署名は11日現在で約4万2000人分が集まった。今月下旬、遺族会は集まった署名を手に長野地検を訪れる。

最終更新:1/13(土) 21:19
毎日新聞