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<北水研>発信器でトド追跡 歯舞、色丹島に回遊

1/12(金) 8:47配信

毎日新聞

 北海道・根室海峡北部の羅臼沖で発信器を装着されたトドが、北方領土の歯舞群島から色丹島まで広域に回遊していることが水産研究・教育機構北海道区水産研究所(札幌市豊平区、北水研)の衛星通信による追跡調査で確認された。トドは環境省のレッドリストで準絶滅危惧種に指定されているが、網にかかった魚を食い荒らしたり、漁網を破ったりするため、近年、漁業被害が深刻化しており、さらに活動実態の調査を進める。

 発信器は昨年1月に若い雌2頭に装着。1頭は根室海峡と歯舞群島・多楽島周辺を数日おきに往復。根室海峡に流氷が流入すると、国後島南部と多楽島や色丹島周辺を数日おきに行ったり来たりした。5月上旬に回遊の範囲は標津沿岸から択捉島南端まで広がり、7月以降は国後北部から択捉南部の海域にいた。もう1頭は放獣後に根室海峡には戻らず、国後島南部、志発島、多楽島周辺にとどまり、それぞれ異なる動きを見せたという。

 発信器は換毛期に外れてしまうため、秋以降は追跡できなくなった。北水研は今年も4頭のトドに発信器を装着し、追跡を続ける。

 根室海峡周辺では年間100頭前後のトドが確認されているが、繁殖地はサハリンや北千島、中部千島にあり、どのように回遊しているのかは不明。昨年度の漁業被害は全道で15億9800万円に上り、近年、日本海側の被害が深刻化している。

 北水研資源管理部高次生産グループの服部薫主任研究員は「歯舞群島までの広域を行き来しているとは考えていなかった。行動の把握によって漁業への影響などを解明していきたい」と話している。【本間浩昭】

最終更新:1/12(金) 9:33
毎日新聞