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成人式で大暴れ 北九州市“住みたい田舎1位”の摩訶不思議

1/12(金) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 今年も北九州市には金髪リーゼントの男と、胸をはだけた花魁姿の女性があふれていた。

 成人式の式典を見て眉をひそめた大人は多そうだが、そんな北九州市が「田舎暮らしの本」(2月号)の“住みたい田舎”の総合1位(都市部門)に選ばれたのだから分からない。ちなみに、同誌は人口10万人未満のランキングも発表しており、1位は南アルプスを望む北杜市(山梨県)だった。

 北九州市といえば、福岡県警を挙げての撲滅作戦で弱体化こそしているものの、“武闘派ヤクザ”工藤会の本拠地だ。新成人のガラがちょっぴり悪いのも何となく納得できる。

 なぜ、そんな北九州市が1位なのか。

「北九州市は、市外からの移住を応援しており、最大50万円の補助金があります。昨年度は計134件に支給されました。本年度はとくに20代、30代の移住促進を応援していきます」(同市住宅計画課担当者)

 市内在住者に聞いても治安の悪さはさほど気にならない様子。実際、昨年の発砲事件は1件のみ(全国で27件)で、ロケットランチャーが押収された5年前とは違って街は穏やかだ。

「小倉駅の再開発などで非常に街がコンパクトであり、少し行くと豊かな自然にも恵まれています」(前出の同市担当者)

■「人口減が逆に幸いかも」

 とはいえ、それだけが魅力ではないだろう。

 そこでランキングを発表した「田舎暮らしの本」の柳順一編集長に直接聞いてみた。

「人口が減っていることが逆に幸いしているのかもしれません……」

 同市の人口は1979年の106万8415人をピークに減少傾向にあり、現在は10万人以上も減って96万1235人。政令指定都市では最も人口減少が激しく、2040年には78万人にまで減ると予想されている。

「人口が減っても、かつての100万都市のインフラがそのまま残されています。必然的に病院や介護施設の収容人数も、他の大都市に比べて充実しているのです」(柳編集長)

 市立病院は小倉北、八幡東、門司に3つあり、産業医科大学病院や小倉記念病院といった大病院もある。介護施設も特別養護老人ホームだけで収容人員は5161人。人口1375万人の東京都の収容人員が4万6359人だから、入所できる可能性は高い。

 北九州に住めば毎年、成人式のたびに恥ずかしい思いをさせられるだろうが、住めば都という言葉もある。