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<大雪>立ち通し「やっと寝られる」 新潟・信越線

1/12(金) 12:03配信

毎日新聞

 ◇乗客、席を譲り合い

 新潟県三条市のJR信越線で11日夜から12日朝にかけて15時間以上にわたって乗客が電車内に閉じ込められた。「雪国新潟」の想定をも上回る豪雪が招いた結果だが、乗客や専門家らはJR東日本の判断の甘さを指摘した。12日午前、席を譲り合うなどして一夜を明かした乗客らは、互いをいたわり合う一方、JRへの恨み節を口にした。【後藤結有、金沢衛、堀祐馬】

【線路を歩く乗客や除雪の様子を写真特集で】

 午前4時半ごろ、家族らが迎えに来た乗客から降車を始めた。辺り一面銀世界となった田園地帯のど真ん中。立ち往生中、鳴りっぱなしだった踏切の警報音が響く中、乗客たちは疲れた様子で家路につき始めた。午前7時半ごろには約430人いた乗客も半数近くに。立ち往生から約14時間半後の12日午前9時30分、除雪車2台がようやく到着し、雪に埋もれていた進路を開いた。

 車内で一夜を明かした長岡市の高校3年生、栗林美豊さん(17)は「やっと家で寝られる」とぐったりした様子。車内ではうなだれたまま寝ている人も多く、「午後9時くらいには帰れるかと思っていた。除雪をすると言ってからなかなか動かなかったのがつらかった」という。見附市の高校1年生、山内亜美さん(15)も「車内は人がいっぱいだった。昨日の午後4時から何も食べていないので早くご飯が食べたい」と話し、家族による迎えの車へ走っていった。

 乗客の家族らにとっても、不安な一夜となった。高校生の息子を迎えに来た見附市の公務員、鳥羽一郎さん(44)は11日午後10時ごろに息子から携帯電話で連絡を受けた。吹雪だったことから、妻と自宅のソファで仮眠を取りながら息子と連絡を取り合った。

 鳥羽さんは「疲れていないか、座れているのか、食べ物は大丈夫か。何回も『大丈夫か』と声を掛けた」。夜が明けてから迎えに来たが、「JRのホームページを見ても『運休』『立ち往生』だけで、見通しや状況は分からなかった。乗客を降ろす降ろさないでもJRの社員間でもめていた。何を優先しているのか分からなかった」と不満をぶちまけた。

 ◇吹きだまり、予測難しく

 今回の立ち往生について、雪害に詳しい長岡技術科学大(長岡市)の上村靖司教授(雪氷工学)は「列車が局所的な吹きだまりに突っ込んだため」と分析する。現場は新潟県の中では比較的雪の少ない平野部で、雪の多い山間部と比べ除雪機や人員の配置が手薄だったのではないかと指摘する。

 上村教授は「沿線全域で(今回のような)局所的な吹きだまりを把握するのは難しい。JRは2005年の羽越線脱線事故以来、悪天候時にはすぐに列車を運休させるようになったが、交通サービスの維持も重要な役割であり、今回列車を走らせるかどうかは難しい判断だったと思う」と述べた。

最終更新:1/12(金) 15:35
毎日新聞