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待機児童数全国最多の世田谷区、厳格な保育施設基準「継続」

1/12(金) 7:55配信

産経新聞

 ■国は都道府県単位で見直し検討

 全国最多の待機児童を抱える世田谷区。認可保育所の配置基準が国より厳しいことも要因の一つとして挙げられる。政府はこうした独自基準が保育所の定員枠を狭めていると指摘。来年度にも、都道府県単位で独自基準の見直しを検討する協議会が設けられる見通しだ。一方、世田谷区では「質、量ともにないがしろにできない」(保坂展人区長)などとして基準を継続させる立場を示している。(植木裕香子)

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 厚生労働省によると、同区の待機児童数は平成25年4月時点の884人を皮切りに26年同期1109人▽27年同期1182人▽28年同期1198人、29年同期は861人と推移し、5年連続で全国ワーストを記録している。

 待機児童が全国的な社会問題となる中、厚労省は28年、国の保育施設の配置基準に上乗せしている各自治体に対し、基準見直しを求めたが、世田谷区をはじめ、ほとんどの自治体は応じていないのが実情だ。同区の場合、保育士1人が対応する1歳児の数は、国の6人より厳しい5人と設定している。

 同省などは再度、見直しを要請する方針。来年度にも都道府県単位で自治体関係者や施設事業者などによる法定の協議会が設置され、独自基準の見直しなどに関する議論が進められる見通しだ。

 一方、保坂区長は10日の記者会見で、区が国よりも厳しい配置基準を設ける理由について「待機児童が非常に厳しい中、質にこだわるのかという(疑問の)声もあるが、子供が安全な環境で育つことが何より重要。量的な整備と質的な確保は車の両輪だ」と述べ、現時点で独自基準を継続させる考えを示す。

 保坂区長は、「世田谷は待機児童が多いとされるが、その概念を統一してみると、待機児童ゼロといわれる自治体が必ずしもゼロではないこともはっきりした。保護者に正確な情報を出すのが自治体としての責務だ」と反論した上で、民有地を活用した保育施設の整備などで昨年の待機児童数が全国最多ながら、6年ぶりに減少した実績をアピールしている。

最終更新:1/12(金) 8:45
産経新聞