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トランプ氏、対イランで袋小路 取り巻きも独自制裁再開見送り提案

1/12(金) 7:55配信

産経新聞

 【ワシントン=加納宏幸】トランプ米大統領による強硬なイラン政策が行き詰まりをみせている。AP通信は10日、複数の米政府当局者の話として、トランプ氏が今週、2015年の欧米など6カ国とイランの核合意に伴って解除された同国への独自制裁措置の再開を見送る意向だと伝えた。米政権は、イランで起きた大規模な反政府デモへのイラン当局による「人権侵害」を強く非難しているが、米国が単独でできることには限界がある。

 APによると、トランプ政権としては核合意に伴う制裁解除を継続する一方、イラン当局の大規模デモに対する「人権侵害」や弾道ミサイル開発に関連する追加制裁を実施し、16年の大統領選期間中からオバマ前政権による核合意の破棄を主張してきたトランプ氏の顔を立てる計画だ。

 核合意を踏まえて解除された、比較的効果の大きい金融や石油関連の取引に関する制裁再開は見送られる公算が大きい。制裁の解除は大統領が120日ごとに更新することになっており、間もなく期限が切れることから、トランプ氏は12日までに制裁再開の是非を決める必要がある。

 核合意関連の制裁再開の見送りはティラーソン国務長官、マティス国防長官、マクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が提案しているという。APは今後、トランプ氏が提案を拒否する可能性があるとも指摘した。欧米などによる制裁解除の見返りにイランが核開発を大幅に制限するという核合意の枠組みを破棄すれば影響が大きく、トランプ氏の最終判断が注目されている。

 これに関連し、米ホワイトハウスは10日、イラン全土での反政府デモで数千人が当局に拘束されたとして、「米国はイランの独裁政権による市民の基本的権利に対する抑圧を座視しない」との声明を発表した。

 トランプ政権はデモ参加者を支持し、核合意の破棄もちらつかせながら国際社会にイランへの圧力を強めるよう要請している。しかし、周辺国による核開発競争への懸念から核合意の維持を求める声が大勢だ。

最終更新:1/12(金) 7:55
産経新聞