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関電、使用済み核燃料のむつ市集約案浮上 地元反発「住民感情を無視」

1/12(金) 7:55配信

産経新聞

 関西電力が福井県の自社原発内に保管する使用済み核燃料の搬出先選定の動きが本格化している。政府内では東京電力ホールディングス(HD)と日本原子力発電が青森県むつ市に建設した「中間貯蔵施設」に集約する案が浮上。再処理して再び燃料として使う「核燃料サイクル」の実現まで一時的に保管する見込みだが、地元は市民感情を理由に反発している。関電は平成30年中に候補地を示す方針で選定は曲折が予想される。

 候補地案とされるのは東電HDが80%、日本原電が20%出資するリサイクル燃料貯蔵(RFS、青森県)の施設。容器に入れた使用済み燃料約3千トンを最長50年間貯蔵できる建屋を持ち、原子力規制委員会の安全審査に合格すれば年内にも、東電HDなどからの搬送が始まる。

 関電は現在、原発敷地内で使用済み核燃料を保管しているが、高浜は6~7年、美浜は9年、大飯は11年で貯蔵プールがいっぱいになると試算する。関電がすべての原発を置く福井県は「県外搬出」を求め、候補地の具体化を再稼働の条件として提示。関電も32年までに貯蔵場所を決定し、42年ごろに稼働する方針だった。

 そのため関電がむつ市の中間貯蔵施設の一部を有償で使う案が浮上した。だが、RFSは「関電からの受け入れは想定していない」と困惑気味。むつ市の宮下宗一郎市長は「とうてい受け入れられない」と明言し、「地域の気持ちを無視したやり方」と批判した。

 一方、政府が推進する核燃料サイクルは足踏みが続き中間貯蔵の必要性は高まっている。青森県六ケ所村の再処理工場を運営する日本原燃は昨年12月、30年度上期としていた施設の完成を33年度上期まで延期する方針を明らかにした。工藤健二社長は「安全性向上の工事に時間を要する」と説明するが、本格的な稼働時期などは明言していない。

 原発の再稼働が徐々に進む中、「再処理が先延ばしになっている現状では、中間貯蔵の受け入れ先探しは急務だ」(業界関係者)。

 ただ、使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)の最終処分場の議論が始まる中、中間貯蔵に対しても自治体の警戒感は根強い。新たな受け入れ先を短期間に探し出すのは困難で、既存の施設に頼らざるを得ないのが実情だ。(会田聡)

最終更新:1/12(金) 7:55
産経新聞