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大手4社、規制緩和も新機軸ビールは様子見

1/12(金) 7:55配信

産経新聞

 ビール大手4社の平成30年の事業方針が11日、出そろった。酒税法改正で4月に「ビール」の定義が変更され、使える原料や製法などの幅が広がるため、各社の首脳は「低調な市場の活性化につながれば」と期待を寄せる。しかし、規制緩和に合わせて発売する新商品を発表したのは、アサヒビールだけ。業務用製品の値上げが間近にひかえていることもあり、既存ブランドのてこ入れを優先させたいという本音がにじむ。

 「“打てる手”が広がったのは、大きなチャンス。各社の新商品が相次いで消費者の注目を集めれば、ビール市場の活性化につながるはずだ」。アサヒビールの平野伸一社長は9日の事業方針説明会で、定義変更が業界にもたらす好影響への期待を述べた。

 アサヒが4月17日発売する「グランマイルド」は、ビールの副原料として新たに使用可能となるハーブの一種、レモングラスを配合。アルコール臭さや時間経過に伴って生じる雑味を抑えることで「ゆっくりと味わえるビールに仕上げた」(平野氏)という。

 一方、キリンビールの布施孝之社長は11日、定義変更に対応したビールを「4月に発売したい」としつつも、詳細な説明は避けた。10日に発表会を開いたサントリービールの山田賢治社長も、同様に「検討中」と述べるにとどめた。

 4社のうち3社が「様子見ムード」をにじませるのは、主力ブランドの販売拡大に注力したいからだ。

 サッポロビールの高島英也社長は「営業力にも限りがある。エネルギーを分散させないよう、現時点では発売を考えていない」と11日の記者会見で説明。ビールに関しては、「黒ラベル」と「エビス」の販売に集中したいという。

 昨年6月開始の安売り規制の影響もあり、ビール類の課税出荷数量は13年連続で過去最低となったもよう。さらに今年3~4月には各社が業務用製品の値上げを予定しており、てこ入れが急務となっている。業界関係者からは「定義変更が有利に働くのは、小規模なクラフトビールのメーカーだ」との指摘も上がる。

最終更新:1/12(金) 8:43
産経新聞