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<訪日外国人>欧米客取り込み課題 20年目標4000万人

1/12(金) 20:36配信

毎日新聞

 2017年の訪日外国人旅行者数が前年比19.3%増の約2869万人となり、5年連続で過去最高を更新した。韓国や中国などアジアを中心に旅行者が増えたことが要因だ。政府は東京五輪・パラリンピックが開かれる20年に訪日客を4000万人に増やす目標を掲げているが、目標達成にはアジアに比べて少ない欧米からの訪日客をいかに増やすかが課題となりそうだ。

 「これまでにない大胆な取り組みを矢継ぎ早に実行してきたことなどが増加につながったと考えている」。石井啓一国土交通相は12日の閣議後の記者会見で、訪日客数の増加に胸を張った。

 国別の内訳などは今後発表する予定だが、観光庁の17年1~11月の統計によると、中国が前年同期比14・2%増の679万人と最も多く、次いで韓国が40・6%増の646万人、台湾が9・2%増の424万人--などとなっている。クルーズ船の寄港増加や格安航空会社(LCC)の増便に加え、円安なども追い風になったとみられる。特に大幅に増加した韓国は、韓国系のLCCが地方空港を中心に新規路線を相次いで開設したことがプラスに働いた。

 政府は、民家などの空き部屋に旅行者を有料で宿泊させる民泊を今年6月に解禁する方針。また、19年1月に導入する出国時に1人1000円を徴収する「国際観光旅客税」を財源に出入国管理の円滑化などを図る方針で、訪日客の増加に向けた受け皿整備を進めている。今後、毎年2割程度の増加ペースを維持すれば、目標は達成できる見込みだ。

 一方、政府は20年に訪日客の消費額を8兆円とする目標も掲げている。17年の消費額は4兆円前後になった見込みだが、倍増に向けては1人当たりの消費額が多く、滞在日数も長い欧米からの訪日客増加が課題となる。観光庁は昨年7月に「欧米豪市場推進室」を設置して誘致強化を進めているが、英、仏などからの訪日客の伸びは1ケタ台にとどまっている。今後は現地で日本への関心を高め、訪日客を新規開拓できるかがカギとなりそうだ。【井出晋平】

 【キーワード】訪日外国人観光客

 人口減少や地方の過疎化が進むなか、政府は訪日外国人観光客を増やし、国内で消費してもらうことを新たな成長戦略の一つに位置付けている。2003年に小泉純一郎首相(当時)が、当時約521万人だった訪日客数を10年に1000万人にする目標を打ち出し、その後の政権も訪日客の増加を目指してきた。訪日客数は、東日本大震災があった11年は減少したが、政府が13年以降、東南アジア諸国や中国向けのビザ発給要件を緩和したことや、円安などを背景に急増。15年には日本人出国者数を45年ぶりに上回った。安倍晋三首相は当初、20年に2000万人の目標を掲げたが、15年に前倒しでほぼ達成したため、16年3月に目標を4000万人に倍増させた。

最終更新:1/12(金) 20:36
毎日新聞